【無職世帯】65歳以上の夫婦、ひと月の生活費はいくら？《みんなの年金月額》シニア世代の”ふつう”ってどれくらい？一覧で紹介

3. 【生活意識】高齢者世帯の半数以上（55.8%）が「生活苦しい」と回答

厚生労働省「2024（令和6）年　国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯（※）の生活意識に関するリアルな結果を見ていきます。

※高齢者世帯：65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

この調査結果からは、シニア世帯の暮らし向きが、経済状況によって大きく3つの層に分かれている様子が見えてきます。

まず、半数以上（55.8%）が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答し、日々の生活に経済的な厳しさを感じています。

その一方で、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と回答した世帯は合計してもわずか4.2%。経済的な余裕を実感できているシニア世帯はごく一握りのようです。

そして、これら両者の中間にあたるのが、40.1%を占める「普通」と回答した層です。この割合は「苦しい」層には及ばないものの、「ゆとりがある」層を大きく上回りました。

経済的な余裕があるとは言えないものの、堅実に暮らす一定数のシニア世帯が、厚い中間層を形成している様子もうかがえます。

ここまで、65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支や、厚生年金・国民年金の平均受給額について見てきました。

夫婦世帯の平均支出は28万6877円が目安とされる一方で、年金収入の平均は厚生年金でも14万6429円にとどまり、年金だけで生活費をまかなうのは難しいというのが実情です。

加えて、年齢を重ねるにつれて医療費や住宅の維持費といった支出も増えていくため、老後の生活には想定以上の費用がかかることもあります。

こうした現実を踏まえると、年金の確認だけでなく、貯蓄や資産運用、あるいは就労など、複数の手段を組み合わせて備えることが大切です。

まずは自分が将来どのくらいの年金を受け取れるのかを「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認し、長く安心して暮らせる老後の計画を立てていきましょう。

中本智恵