3. 長く働き、長く備える新しい年金制度へ
今回は、厚生労働省や内閣府のデータをもとに、改正内容とライフプランへの影響を解説しました。今年6月に成立した年金制度改正法は、働くシニアや資産形成に直結する内容です。年金制度の改正は、セカンドライフの生活設計を考える50歳代・60歳代にとっても直結する内容です。65歳以上のシニアの就業率は高く、年金だけでなく仕事による収入も家計を支えています。
在職老齢年金の支給停止額引き上げで、働きながら年金を全額受け取れるシニアが増えます。また、iDeCoの加入年齢上限引き上げで、高齢期でも長期的な資産形成が可能になりました。企業型DCの拠出限度額拡充と運用の見える化によって、自助努力による老後資金作りも後押しされることに。
公的年金を基盤に、働き方と備え方を自分のライフプランに合わせて選べる時代になりました。制度改正を理解することで、「働く・もらう・備える」のバランスを整えやすくなります。変化をチャンスとして、自分に合った働き方と資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
村岸 理美