2. 年金制度改正が働くシニアに与える影響
働くシニアの増加を受け、年金制度改正法では、働きながら年金を受給する際の制度が見直されました。
2.1 在職老齢年金の見直し「働く意欲を後押し」
在職老齢年金とは、60歳以降で老齢厚生年金を受給しながら働いている場合、年金額(※)と報酬(給与・賞与)の合計が基準額を超えると、年金の一部または全額が支給停止となる制度のことです。
(※)老齢基礎年金は対象外となり、全額支給されます。
厚生年金をもらいながら働く際に年金が減額される在職老齢年金制度が見直され、2026年4月から、その支給停止調整額が62万円へ引き上げられます。収入増による年金カットを懸念していたシニア世代にとって、「働く意欲への制度的な壁」が緩和され、より柔軟な働き方が可能になると期待されています。厚生労働省の試算では、この引き上げにより、新たに約20万人が年金を全額受給できるようになるとされています。
