株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸、米中貿易摩擦問題の解決期待が高まる
2019年3月4日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,822円(+219円、+1.0%) 続伸
- TOPIX 1,627.5(+11.8、+0.7%) 続伸
- 東証マザーズ株価指数 938.1(+9.1、+1.0%) 続伸
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,481、値下がり銘柄数:579、変わらず:72
- 値上がり業種数:26、値下がり業種数:7
- 昨年来高値更新銘柄数:32、昨年来安値更新銘柄数:2
東証1部の出来高は11億2,781万株、売買代金は2兆1,536億円(概算)となりました。出来高は先週末並みでしたが、売買代金は小幅増加となっています。米中貿易摩擦問題の合意期待でリスクオンモードが高まりましたが、依然として様子見スタンスに徹する投資家も多く、盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は2兆円超こそ維持しましたが、依然として低水準が続いています。
そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移し、戻り高値を試す展開となりました。寄り付きから高く推移し、前場の半ばに一時+138円高まで上げ幅を縮小しましたが、後場の序盤には一時+258円高となる場面も見られました。
最後はやや売りに押されましたが、それでも終値で昨年12月13日以来となる21,800円台乗せの続伸で引けています。
なお、TOPIXも同じような値動きで続伸となりましたが、上昇率では日経平均株価を下回りました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への買いが優勢だったことを示唆しています。
東証マザーズ株価指数は続伸、売買代金は19日連続で1,000億円超え
東証マザーズの出来高は7,750万株、売買代金1,446億円となりました。出来高は先週末より減りましたが、売買代金は増加しています。出来高は冴えない結果でしたが、医療バイオ関連株を中心に個人投資家の物色意欲回復は続いており、売買代金は19日連続で1,000億円超となりました。
また、一部の主力株に買い戻しが入ったこと等により、株価指数も続伸となって再び950ポイントをうかがう状態になりました。
オリンパスが連日の昨年来高値更新、コマツやファナックなど中国関連銘柄も値を上げる
個別銘柄では、米中貿易問題の合意期待と上海株式市場の上昇を背景に中国関連の設備投資・機械株が買われ、安川電機(6506)が+5%超高の急騰となり、ファナック(6954)、コマツ(6301)、日立建機(6305)などがいずれも大幅高となりました。
また、半導体関連を中心にハイテク株も買われ、オリンパス(7733)が連日の昨年来高値更新となり、アドバンテスト(6857)も昨年来高値を更新しています。さらに、東京エレクトロン(8035)、村田製作所(6981)、オムロン(6645)、TDK(6762)なども大幅上昇となり、NEC(6701)は昨年来高値更新となりました。
その他では、楽天(4755)が+6%超高の急騰となり、ソフトバンクグループ(9984)も大幅高となったのが目を引きました。
一方、先週まで連騰が続いたホンダ(7267)が大幅反落となり、インドとパキスタンの政治的緊張懸念からスズキ(7269)が一時▲5%安に迫る急落となりました。さらに、トヨタ自動車(7203)や日産自動車(7201)なども安く推移するなど、主力自動車株が総じて売られたようです。
また、24時間営業の是非が注目されるコンビニ株も概ね軟調に推移し、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が大幅安となり、ローソン(2651)も値を下げ、ミニストップ(9946)は昨年来安値を更新しました。
その他では、任天堂(7974)が大きく値を下げたのが目立ちました。
新興市場(東証マザーズ)では、サンバイオ(4592)が久しぶりに大幅高となり、ファイバーゲート(9450)は連日で高値更新となりました。また、メルカリ(4385)が3日続伸となる大幅上昇となっています。一方、窪田製薬ホールディングス(4596)が大幅安となり、ウォンテッドリー(3991)も値を下げて引けました。
葛西 裕一