2. 社会保険料の逆進性とは?負担のゆがみ

社会保険料の逆進性とは、所得が少ない人ほど、自分の収入全体に占める社会保険料(年金や健康保険料など)の負担の割合が高くなるという性質のことです。これは、本来「所得が多い人ほど負担が重くなる」という税制の累進性の原則から外れた、一種の負担のゆがみに当てはまります。

この現象が起こる主な原因は、社会保険料には上限額(キャップ)が設定されている点にあります。

  • 高所得者:収入が増加しても、保険料は上限額を超えて増えることはありません。
  • 低所得者:収入の多くを保険料の支払いに充てる必要が生じ、結果的に収入に対する保険料の割合が重くなってしまいます。

高市新総理が「給付付き税額控除」の推進を強く掲げているのは、この逆進性を緩和し、減税と給付によって所得の少ない人々の生活を直接的に支援することを目的としているからです。