多額の設備投資は中業企業の経営に大きな影響を与えます。そこで国は生産性革命を旗印に、生産性の高い設備の導入を促進するためにさまざまな設備投資の優遇策を用意しています。今後、設備投資を考えている経営者の方、ぜひご覧ください。
1. 補助金を活用する
真っ先に思いつくのが補助金を活用するという方法ではないでしょうか。たとえば、中小企業が設備投資を行うのに使える補助金として、「ものづくり補助金」があります。
ものづくり補助金は、革新的なものづくりやサービスを行うための設備導入を国が補助してくれるもの。投資した額の2分の1、最大で1000万円が補助されます。2000万円投資し1000万円が補助されるイメージです。
平成30年度補正予算分のものづくり補助金は、2019年5月8日まで応募を受け付けています。
2. 先端設備等導入計画の認定をうける
先端設備等導入計画とは、生産性の高い設備を導入する中小企業が、生産性が向上する旨の計画書を作り自治体の認定を受けた場合、導入する設備の固定資産税が3年間ゼロから半額になる制度です。
これまで法人税が減額になる施策は多くありましたが、赤字企業は減税の恩恵が受けられませんでした。固定資産税は赤字企業でも納税対象になるため、恩恵が受けられます。
実は先端設備導入計画の認定を受けると、前述のものづくり補助金の補助率が3分に2にアップします。また、ものづくり補助金の審査で加点されるという大きなメリットもあります。
3. 経営力向上計画の認定をうける
経営力向上計画とは、人材育成や設備投資など経営力を向上させる取り組みを行い、労働生産性などを向上させる中小企業を税制や融資などで支援してくれる制度です。
この制度を活用すると、設備費用をその期で全額損金にするか、取得価額の10%の税額を減らすかのいずれかを選べ、法人税上の優遇が受けられます。
なお、経営力向上計画も、ものづくり補助金の審査で加点されるメリットがあります(ただし、先端設備導入計画と経営力向上計画でダブルの加点はなし)。
これら3つを組み合わせることで効率的に設備投資が行えます。設備投資を考える際は、認定支援機関の顧問税理士や中小企業診断士に相談してみてはいかがでしょうか。
中野 裕哲