3. 運用利回りはどのくらい影響する?

先ほどは年率3%の運用でシミュレーションしましたが、投資は運用利回りが事前にわかりません。

では、運用利回りによって毎月の積立額にどのくらい差が出るのでしょうか。

25歳から65歳までの40年間、積立投資を行ったケースを例に考えてみましょう。

運用利回りが年率1%の場合に必要な積立額は月5万907円ですが、運用利回りが年率5%の場合は月2万236円の積立で3000万円を用意することが目指せます。

この場合、毎月必要な積立額には3倍近くの差が生じています。いかに運用利回りが、資産形成において重要なのかがわかるでしょう。

なお、日本の年金を運用するGPIFは国内外の債券や株式に分散投資していますが、2021年度以降の累積収益率は年率4.33%となっています。一つの目安にしてみてください。

4. ライフスタイルやリスク許容度、家計の状態に合わせた選択を

本記事で紹介した通り、資産形成は早く始めるほど複利効果の恩恵を受けやすいです。

将来に向けた資産形成を目指す場合、税制優遇制度の新NISAを活用することで、通常であれば利益に対し20.315%の税金がかかるところを非課税になるメリットが得られます。

資産運用には価格変動リスクなどが伴いますので、利益が期待できるだけではないことを理解しておくことが大切です。

物価上昇が続く中で、低金利の預貯金のみでの資産形成では、お金の価値が目減りしてしまうことも念頭に置いておく必要があるでしょう。

ライフスタイルやリスク許容度、家計の状態などに合わせて、金融商品ごとに異なる特徴をよく確認したうえで資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

苛原 寛