先日10月15日は、2か月に一度の公的年金支給日でした。この日、6月頃に決定した住民税や社会保険料の控除額の変動により、年金の手取り額が変わった方がいます。
さて、次に支給日がやってくるのは12月15日です。この日振り込まれる年金額が増額となるシニアがいます。これは主に働き続けている高齢者が対象ですが、具体的にどういう方が対象となり、どのような仕組みで年金が増えるのでしょうか?
この記事では、まず現代のシニア世代が実際に受給している年金月額の平均を確認します。その上で、12月支給分から年金額が増えるのはどういう要件を満たす人なのか、その仕組みを詳しく解説していきます。
1. 公的年金のしくみとは
公的年金制度は「2階建て」になっており、1階部分にあたる「国民年金」の上に、2階部分にあたる「厚生年金」が積み上がっている構造です。
原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのは「国民年金」で、年金保険料(※1)は全員一律です。保険料を全期間(480月)納付すると、65歳以降で満額(※2)を受給できます。もし未納期間があれば、その期間に応じて満額から差し引かれます。
一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入するのが「厚生年金」です。収入に応じた年金保険料(※3)を納めます。受給額は、加入期間と在職中の収入に応じて計算されます。基本的には、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、将来受け取れる金額は多くなります(ただし上限あり)。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される