12月は暖房費や食料品の買い込みなど、ほかの月よりも生活費が膨らみやすい時期です。
特に年金生活の方にとっては、年末に向けて出費が重なるため、「いつもより家計がきびしい」と感じる方も少なくありません。
では、12月15日の年金支給日に “ひとり1万900円”が上乗せされる可能性がある「年金生活者支援給付金」 をご存知でしょうか。
この給付金は「もらえる人」が決まっているうえ、原則として 自分で申請しないと受け取れないお金。毎年9月ごろに届く「緑の封筒」に気づかず受給の機会を逃してしまうケースもあり、特に初めて制度を利用する方は注意が必要です。
本記事では、給付額の仕組み、対象になる条件、申請の手順までをわかりやすく解説します。年末の出費が増える今の時期、自分や家族が対象になっていないか、早めの確認をおすすめします。
1. 年金に上乗せ支給される「年金生活者支援給付金」ってどういう制度?
年金生活者支援給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金の受給者のうち、所得が一定基準を下回る人を対象に、公的年金に加えて2カ月に1回支給される制度です。
給付額は毎年度見直され、物価変動などの状況も反映されるようになっています。
1.1 年金生活者支援給付金制度が創設された目的とは?
「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」に基づく「年金生活者支援給付金制度」は、2019年10月の消費税率引き上げ(8%→10%)にあわせて創設された仕組みです。
所得や年金額が少ない高齢者、障害・遺族年金の受給者など、生活に困難を抱える人の支援を目的としています。
「この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
この制度は、公的年金に加えて給付金を「上乗せ」する形で支援を行い、最低限の生活を保障することを狙いとしています。