4. 【要注意】年金の繰下げ受給で医療費負担が2割になる!

老後の年金受給は基本的に65歳からですが、受給タイミングを遅らせることも可能です。これは「年金の繰下げ受給」と呼ばれる制度で、1ヵ月繰下げするごとに0.7%、最大で84%もの年金が増額されます。

しかし、繰下げ受給をして年金受給額を増やすと、75歳になった際に年金収入が200万円や320万円以上になる可能性があり、医療費の負担割合が2割になる可能性が高まるのです。

たとえば、単身世帯の人の65歳時点での年金額が年間180万円であれば、75歳になった際の医療費の負担割合は1割です。しかし、65歳時点で年金を受け取らずに70歳で受け取った場合は、42%年金が増額されて年間約255万円となり、75歳になった際の医療費の負担割合が2割になります。

繰下げ受給を検討する際は、年金収入の増加だけでなく、税金や社会保険料、医療費の負担割合の変化も含めて検討する必要があるでしょう。

5. まとめ

単身世帯で200万円以上、夫婦世帯で320万円以上の年金収入になると、医療費の負担割合は2割になります。

医療費の負担が増えると、その分家計に与える影響も大きくなります。年金収入を調整するのは難しいため、医療費の支出が問題なくできる資産を備えておくのが重要です。

参考資料

石上 ユウキ