2.2 ポイント2:長期積立投資の重要性

比較的安全だと言われる、新NISA制度のつみたて投資枠での投資も、投資である以上は「元本割れ」のリスクはゼロではありません。しかし、「長期的」に「定額」で積み立てることで、そのリスクを大きく下げることが可能です。

まず、つみたて投資枠などで選べる投資信託商品の多くは、特定の国や世界経済全体の動きに連動する「インデックスファンド」です。

インデックスファンドは一般的に、短期的に見れば上下の波もありますが、長期的には経済成長と連動してゆるやかに価値が上がっていくことが見込まれます。

さらに、毎月定額の投資を続けると、価格が安い時には多く、高い時には少なく買うことになります。

これを長く続けることで、購入単価が平均化され、高値で買いすぎてしまうリスクを自然と避けることができるのです。

そのため、一時的な価格の下落に一喜一憂せず、コツコツと続けることで、結果的に元本割れのリスクを抑え、安定したリターンを目指すことが可能になるのです。

資産形成にあたってのポイント

資産形成にあたってのポイント

出所:金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」

3. おわりに

今回のシミュレーションを通して、少額からでも始められる積立投資の可能性を見てきました。

毎月の金額は大きくなかったとしても、長期的に積立・保有をすることで、老後の生活を大きく左右するような資金に育つ可能性があることがわかりました。

もちろん、実際の運用では市場の上下動により、シミュレーション通りの結果にはならないことも理解しておく必要があります。

しかし、長期的な視点で定額の積立投資を続けることで、市場の変動リスクを抑えて資産を育てていくことが可能となります。

投資と聞くと難しく感じたり、まとまった資金が必要だと思ったりしがちですが、実際は「月数千円から」でも始めることができます。まずは自分に無理のない範囲で一歩を踏み出すことを、ぜひ検討してみてください。

参考資料

斎藤 彩菜