2. 【老齢年金世代】65歳以上、リタイア組。ひと月の生活費はいくら必要？《単身・夫婦》
シニアが安心して働き、収入を確保できる環境は整いつつあります。一方で、実際にリタイア後の生活を考えると、年金収入だけで生活費をカバーできるのかいう点は、やはり気になりますよね。
次では、総務省の家計調査データなどから、一般的な65歳以上リタイア世帯の家計収支がどのような状況にあるのか、その「収入」と「支出」のリアルな内訳を確認してみましょう。
2.1 65歳以上リタイア組《単身世帯》生活費はひと月、いくら必要？
総務省統計局が公開した「家計調査報告家計収支編 2024年（令和6年）平均結果の概要」を確認すると、65歳以上単身無職世帯の生活費は毎月16万1933円でした。
内訳は、以下のとおりです。
- 消費支出：14万9286円
- 非消費支出：1万2647円
さらに、消費支出の内訳を確認すると以下のとおりでした。
- 食料：4万85円
- 住居：1万2693円
- 光熱・水道：1万4490円
- 家具・家事用品：6596円
- 被服及び履物：3385円
- 保健医療：8640円
- 交通・通信：1万4935円
- 教育：15円
- 教養娯楽：1万5492円
- その他の消費支出：3万956円
ただし、実収入は13万4116円（うち社会保障給付12万1629円）で、毎月2万7817円の赤字が発生していることがわかります。
では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯はどうでしょうか。
2.2 65歳以上リタイア組《夫婦世帯》生活費はひと月、いくら必要？
- 毎月の生活費：28万6877円
内訳
- 食料：7万6352円
- 住居：1万6432円
- 光熱・水道：2万1919円
- 家具・家事用品：1万2265円
- 被服及び履物：5590円
- 保健医療：1万8383円
- 交通・通信：2万7768円
- 教育：0円
- 教養娯楽：2万5377円
- その他の消費支出：5万2433円
- 非消費支出：3万356円
こちらも実収入は25万2818円（うち社会保障給付22万5182円）で、毎月3万4058円の赤字が生じています。
また、単身世帯も夫婦のみ世帯も住居費が1万円台となっていますが、賃貸に住み続けることを考えている場合は、家賃との差額相当を上乗せした住居費を見積もっておく必要があるでしょう。
ライフスタイルや健康状態などにより、ひと月の生活費にはもちろん世帯差がありますが、標準的なシニアの年金世帯では「毎月赤字」が続く可能性があることを、心に留めておきましょう。
