2. 【3つのケース】10月から「手取り額」が増減した人とは?

続いて、10月から年金の受取額が「増えた人・減った人」の3つのパターンを見ていきましょう。

2.1 ケース1:前年の収入が前々年と比べて増減している人

前年の収入が前々年と比べて増減していると、10月からの手取り額に変化が生じる可能性があります。

たとえば、10月以降に反映される個人住民税は前年の収入をもとに計算されるため、前年の収入が前々年より多ければ住民税が増加します。

さらに、社会保険料も前年の所得を基準に算出されるため、大きな収入変動があれば10月からの天引き額が増減することになります。

具体的なケースとしては、年金に加えて新たに働き始めた場合や、株式の売却益が発生した場合などが挙げられます。

2.2 ケース2:「控除」に該当する項目が増減した人

前年の収入が前々年とほぼ同じであっても、扶養人数の変動などによって「控除」に該当する項目が増減すれば、天引き額が変わる場合があります。

ここでいう控除とは、所得税や住民税を計算する際に課税対象となる所得を差し引いて減らす仕組みのことです。

控除が増えれば課税所得は減少し、その分税負担も軽くなります。

そのため、「収入は変わっていないのに年金の振込額が変わった」というケースでは、この控除の増減が影響している可能性があります。

2.3 ケース3:年金の受給を始めたばかりの人

年金の受給を始めたばかりの人も、10月から振込額が変わる対象となります。

年金の支給開始年齢は原則65歳ですが、受給を開始してすぐに税金や社会保険料が差し引かれるわけではありません。

受給開始から10月までは「普通徴収」として、納付書を使って自分で納める形になります。

その後、条件を満たした方は10月以降に「特別徴収」に切り替わり、年金から直接天引きされるため、実際の振込額は減少します。

10月以降は「特別徴収」に切り替わることで、年金から直接控除される仕組みとなるため、振込額が少なくなったように感じられます。

ただし、実際に支払う負担が増えるわけではないため、手元に残る金額は変わらない点を理解しておきましょう。