「タトゥーがあると生命保険に加入できない」という話を耳にしたことはありませんか?
たしかに多くの保険会社では、タトゥーがあることで加入を断られるケースが存在します。しかし、近年の社会情勢の変化により、条件次第ではタトゥーがあっても保険に加入できるようになってきています。
この記事では、タトゥーがある方の保険加入について、審査基準や加入しやすいケース、注意すべきポイントを詳しく解説します。
1. タトゥーがあると保険加入が困難になる理由
タトゥーがあると保険加入を断られることが多い理由は、主に2つです。詳しく見ていきましょう。
1.1 反社会的勢力との関連性への懸念
日本の保険業界では、タトゥーや刺青が反社会的勢力との関連を示唆するものとして捉えられる文化的背景があります。
保険会社は、保険制度の健全性を維持するため、反社会的勢力とのつながりを厳しく審査し、該当する可能性がある場合は契約を拒否する方針を取っています。
このような方針は、保険金の不正請求や組織的な悪用を防ぐためのリスク管理の一環とされています。
ファッション目的でタトゥーを入れた場合であっても外見上の判断では動機を区別することは難しいため、一律に厳しい審査基準が適用される傾向があります。
1.2 健康面でのリスク要因
タトゥーの施術過程における感染症リスクも、保険会社が加入を慎重に判断する大きな要因です。
タトゥーは針で皮膚の真皮層に色素を注入する医療行為に近いものであり、適切な衛生管理が行われていない場合、血液感染による重篤な疾患のリスクが高まります。
主な感染リスク
特に以下の血液感染症のリスクが懸念されています。
- B型肝炎・C型肝炎:慢性化すると肝硬変や肝がんへ進行する可能性
- HIV感染症:免疫不全を引き起こし、生命に関わる疾患
- 非結核性抗酸菌症:治療困難な感染症として報告例が増加
感染症のリスクから、日本赤十字社では刺青・タトゥーを入れた方の献血を6カ月間制限しており、保険会社も同様の観点からリスク評価を行っています。
2. タトゥーを隠した保険加入のリスクと発覚のケース
タトゥーがあると保険に入りにくいことはわかりましたが、もしタトゥーを隠して保険に入るとどうなるのでしょうか?
2.1 告知義務の重要性
保険契約における告知書は、申し込みにおける最も重要な申告書類の一つです。タトゥーについても、保険会社によっては告知事項に含まれる場合があり、事実を隠した場合は告知義務違反として扱われる可能性があります。
告知義務違反が発覚した場合、以下のペナルティが課される可能性があります。
- 保険金・給付金の支払い拒否
- 契約の解除
- 既払い保険料の返還拒否
告知書にはタトゥーに関する質問が無いケースも多いですが、加入前の説明事項等でタトゥーの有無を確認される場合があります。
故意にタトゥーを隠して保険に加入すると後からトラブルになる可能性もあるため、保険会社の担当者に事前に確認しておくと安心です。
2.2 タトゥーが発覚する主なケース
タトゥーを告知していなかった場合、どのように発覚するおそれがあるのか解説していきます。
保険加入時の医的審査
高額な保険金額の契約や、加入時の年齢によっては、医師による診査が必要になります。この際、身体検査でタトゥーが発見され、保険会社に報告される場合があります。
給付金請求時の調査
保険金や給付金の請求時に、保険会社が医療機関のカルテを確認することがあります。特にタトゥーに関連する可能性がある肝炎などの疾患の場合、カルテにタトゥーの記載があると発覚するリスクが高まります。