5. いまどきシニアは「健康に関する備え」を重視している
記事冒頭で触れたように、シニア世代は健康に関する突発的な出費が発生しやすいといえるでしょう。
内閣府が公表した「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、老後の準備として最も多く挙げられているのは「健康に関する備え(健康の維持・増進、介護予防、保険、病気やけがの治療など)」で、全体の80.7%を占めています。
他には以下の割合で重要視しているようです。
- 「健康に関する備え(健康の維持・増進、介護予防、保険、病気やけがの治療など)」80.7%
- 「終活関係の準備(葬儀やお墓、財産整理など)」38.1%
- 「住まいに関する備え」25.5%
- 「資産形成(貯蓄や投資など)」24.2%
では公的年金・保険のほかに、老後の備えとして私的な年金・保険に加入しているのでしょうか。
- 「生命保険」56.0%
- 「病気やけがのための保険」50.7%
- 「個人年金」19.7%
- 「介護保険」13.3%
- 「企業年金」13.0%
- 「いずれも加入していない」17.2%
このように、生命保険の加入率が高く、同程度に病気やけがのための保険加入率も高いことが分かりました。
長く健康に過ごしていくためにも、健康に関する備えは欠かせないようです。ぜひ一度老後生活の備えについて考えてみてはいかがでしょうか。
6. 自分にあった「老後への備え方」を考えよう
投資環境や為替動向など外部要因の影響もありますが、増加する富裕層に共通するのはお金の流れへの深い理解です。
資産を増やすのは特別な人だけの話ではなく、誰でも収入の一部を運用に回す意識を持つことから始まります。
一方で、どれほど資産を築いても健康を損なえば医療費や介護費といった出費がかさみ、家計のバランスが崩れることもあります。長く安定した生活を送るためには、資産形成と同じように「健康を維持する投資」も欠かせません。
少額からでも投資信託やiDeCoなどで資産を育てていくことが将来の安定につながります。大切なのは自分に合った方法で無理なく継続すること。小さな一歩の積み重ねが確かな備えとなっていくでしょう。
参考資料
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
マネー編集部貯蓄班