秋は子供の進学準備や教育費の計画を具体的に考えるご家庭も多い季節です。大学進学にかかる費用は年々増加傾向にあり、特に私立大学の医歯系学部では初年度だけで500万円近くが必要となるケースもあります。

家計にとって大きな負担となる教育資金の準備。祖父母などからの資金援助を検討する際に知っておきたいのが、「教育資金の一括贈与に係る非課税制度」です。今回は、制度の概要や注意点、そして2026年3月末に迫った制度の期限について、最新データをもとに分かりやすく解説します。

1. 「大学の初年度費用はいくらぐらい?」国公立と私立で比較

家計にとって大きな支出となる子供の教育資金ですが、具体的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。大学進学にかかる費用は、国公立大学と私立大学によって大きく異なります。

1.1 国公立大学、初年度に約80~90万円がかかる

文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、2023年度における大学初年度にかかる費用は下記の通りです。

  • 国立大学:81万7800円
  • 公立大学:91万562円

上記額は授業料と入学料の合計額です。国立大学では文部科学省によって授業料や入学料の標準額が定められていますので、およそ費用の目安がつきやすいといえるでしょう。

とはいえ、親元を離れて一人暮らしをする場合などはこの費用のほかに仕送り費用も発生することを考慮しなければなりません。

1.2 私立大学、学部によって初年度500万円近くなることも

文部科学省の「令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、大学入学初年度にかかる平均額は下記の通りです。

  • 文科系学部:119万4841円
  • 理科系学部:153万451円
  • 医歯系学部:482万1704円
  • その他学部:146万542円
  • 全平均:136万5281円

理科系・医歯系学部では特に費用が高額になりやすく、医歯系学部では初年度に500万円近い費用がかかる結果となっています。私立大学の学費は年々増加傾向にありますので、計画的に準備しておくことが重要です。