物価高騰が続く中、年金だけで生活するのは厳しいと感じている人も多いでしょう。
年金などの収入が一定額以下の場合、生活支援のために「年金生活者支援給付金」という制度が利用できます。聞き慣れない制度かもしれませんが、対象者は請求書に3つの項目を書いて返送するだけで給付金がもらえます。
本記事では、年金生活者支援給付金の請求方法について解説します。
給付金の対象となる要件や給付金額も紹介しますので、該当する人は請求漏れのないようにしましょう。
1. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金とは、収入の低い年金受給者の生活を支援するために設けられた給付金です。
老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金受給者に支給される年金に、上乗せする形で支給されます。
受給する基礎年金の種類によって支給額は異なります。
2. 年金生活者支援給付金の請求タイミングはいつ?
年金生活者支援給付金を請求できるのは、基礎年金の受給者で所定の所得要件を満たした場合です。
そのため、基礎年金の請求時に所得要件を満たしていれば、基礎年金請求と同時に年金生活者支援給付金を請求します。
一方、基礎年金請求時に所得要件を満たしておらず、その後に所得要件を満たすようになった場合、日本年金機構からの郵送案内にしたがって年金生活者支援給付金を請求することになります。
年金生活者支援給付金は請求しないともらえないため、日本年金機構から案内があれば忘れずに手続きしましょう。
3. 年金生活者支援給付金の請求方法
年金生活者支援給付金を受給していない基礎年金受給者が所得要件を満たした場合、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
請求書送付用封筒は以下の様式です。見ないで放置している人は確認してください。
請求書に記載する内容は次の3つだけです。
- 記入日
- 氏名とふりがな
- 電話番号(携帯、固定電話番号のどちらでも連絡の取りやすい番号)
3項目記載後は、目隠しシールと切手を貼って郵便ポストに投函するだけです。スマートフォンやマイナンバーカードを使って電子申請も可能です。
ここまで、年金生活者支援給付金の請求タイミングと請求方法について解説しました。次章では、年金生活者支援給付金の支給額と所得要件について解説します。
4. 年金生活者支援給付金の支給額
年金生活者支援給付金の支給額は、受給している基礎年金の種類によって次の通り異なります。
- 老齢基礎年金:5450円
- 障害基礎年金1級:6813円
- 障害基礎年金2級:5450円
- 遺族基礎年金:5450円
老齢基礎年金については、保険料の納付状況などによって支給額は異なります。上記の支給額は、20歳から60歳までの40年間に国民年金保険料(厚生年金保険料を含む)を漏れなく納付した場合の金額です。
保険料の未納がある場合は、20歳から60歳までの納付月数に応じて次の通り計算します。ただし、保険料免除を受けた場合の計算方法は下記とは異なるため、日本年金機構のホームページなどで確認してください。
- 5450円×保険料納付済期間÷480ヶ月
5. 年金生活者支援給付金の所得要件
年金生活者支援給付金を受給できるのは、基礎年金の受給者で所定の所得要件を満たした場合です。
所得要件は基礎年金の種類によって異なります。
障害基礎年金受給者や遺族基礎年金受給者の所得要件は、次の通り本人の所得のみが対象です。
- 「479万4000円+扶養親族の数×38万円」以下
老齢基礎年金受給者の所得要件は、本人所得だけでなく家族の所得も含まれます。
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が一定金額以下
一定金額以下とは、原則「80万9000円以下(※1)」です。ただし、80万9000円を超え90万9000円以下(※2)の人にも、補足的支援給付金が支給されます。
※1:1956年4月1日以前生まれの人は80万6700円以下
※2:1956年4月1日以前生まれの人は80万6700円を超え90万6700円以下
6. まとめにかえて
年金生活者支援給付金は、収入の低い基礎年金受給者の生活を支援する制度で、公的年金に上乗せして支給されます。
支給要件は日本年金機構で判定し、要件を満たす年金受給者に対して「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
よく知らない制度で戸惑うこともあるかもしれませんが、請求書に記入日と氏名、電話番号の3項目を記載して返送するだけです。
請求しないと受給できないため、案内が来た人は忘れずに手続きしましょう。
参考資料
西岡 秀泰