2025年10月5日深夜に脱線事故が発生した東急田園都市線が7日0時ごろに運転を再開しました。7日は始発から平常運行となっています。運輸安全委員会による車両調査は継続して行われる模様です。
1. 【田園都市線の脱線事故】事故の概要
今回の鉄道事故は10月5日23時ごろに田園都市線の梶が谷駅〜宮崎台駅間で発生したものです。渋谷行きの普通列車が梶が谷駅に向かっていたところ、別の車線に停車していた回送列車に衝突。回送列車の最後尾の車両が脱線しました。
事故後の調査で、オーバーランを防止するシステムが作動した回送列車が所定の位置より手前で停車していたこと、回送列車の運転席には見習い運転士と指導役が乗車していたこと、149人の乗客にけがはなかったことなどが明らかになっています。
一方で、なぜ回送列車が本線の進路上を支障する形で停止したのか、安全確保の措置が適切に行われたのかなどについて、これから運輸安全委員会による詳細な調査を行われる模様です。
2. 【田園都市線の脱線事故】どのような影響が出た?
10月6日の田園都市線では、始発から渋谷駅〜鷺沼駅間の上下線で運転が見合わせとなり、運休区間外の鷺沼駅〜中央林間駅間でも、大幅に本数を減らして折り返し運転を行うことになりました。
また、東急大井町線の一部区間(溝の口〜二子玉川間)でも運転見合わせが発生し、東京メトロ半蔵門線、東武スカイツリーラインなどとの直通運転も中止になりました。
東急電鉄によると、事故による運休本数は5日と6日の合計で1107本。田園都市線は東京都と神奈川県を結ぶ大動脈ということもあり、約65万2000人に影響が出たとのことです。JRや小田急線、バスなどでは大規模な振替輸送による混雑もみられました。
3. 【田園都市線の脱線事故】今後の調査と対策
脱線事故自体は小さなものも含めると、年間で数件程度の頻度で発生していますが、列車同士の接触によるものはきわめて珍しいものです。
列車の追突事故は甚大な被害が出るケースも多く、今回の田園都市線の事故によって死傷者が出なかったことは不幸中の幸いといえるでしょう。
今後の調査では、見習い運転士の操作詳細や指導体制、さらに自動列車制御装置(ATC)などの安全装置が適切に機能したかなどの検証が行われる予定です。
東急電鉄は、安全管理体制の強化や設備・システムの強化など、人的要因と設備要因の両方で再発防止を求められることになりそうです。
参考資料
LIMOトレンド部
