1.1 年金から天引きされる「税金」:所得税
年金から差し引かれる税金のひとつに「所得税」があります。
所得税は、年金の受給額が一定額を超える場合に課税され、収入から各種控除を差し引いた課税対象額に対して5.105%の税率が適用され、源泉徴収されます。
さらに現在は、東日本大震災からの復興財源を確保する目的で「復興特別所得税(※)」も所得税に上乗せして徴収されています。
※復興特別所得税:2037年(令和19年)末まで
1.2 年金から天引きされる「税金」:住民税
年金から差し引かれる税金には、所得税に加えて「住民税」もあります。
住民税は、一定額以上の年金を受給している場合に天引きされる仕組みで、個人住民税には、所得に応じて課される「所得割」と、一律で負担する「均等割」があります。
ただし、年金収入が少ない場合には「均等割のみの負担」や「非課税」となるケースもあります。
1.3 年金から天引きされる「社会保険料」:健康保険料
年金から差し引かれる社会保険料の一つに「健康保険料」があります。
健康保険料には「国民健康保険料」と「後期高齢者医療保険料」の2種類があり、年齢によって自動的に切り替わります。
国民健康保険料は、65歳から75歳未満で後期高齢者医療制度に加入していない年金受給者が対象となり、年金額が年間18万円以上ある場合に天引きされます。
一方、後期高齢者医療保険料は「75歳以上」または「65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に該当する」方が対象で、こちらも国民健康保険と同様に、年金額が年間18万円以上の場合に天引きされます。
1.4 年金から天引きされる「社会保険料」:介護保険料
年金から差し引かれる社会保険料のひとつに「介護保険料」があります。
40歳から64歳までは健康保険料に含まれる形で徴収されますが、65歳以降は独立して支払う仕組みとなり、年金額が年間18万円以上ある場合には年金から自動的に天引きされます。
次章では、65歳以上のシニア世帯が実際に支払っている社会保険料である「健康保険料」と「介護保険料」の平均額を確認していきましょう。