「値上げのニュースはもう聞き飽きた」と感じている方も多いのではないでしょうか。実りの秋を迎えた10月も、残念ながら9月を上回るペースで多くの飲食料品が値上がりする見通しです。
老後の生活設計において、終身で受け取れる公的年金は生活の土台ですが、国民年金や厚生年金だけで生活を支えるのは簡単ではありません。
しかし、なかには年金だけで月額30万円以上を受け取っている「高額受給者」も存在します。額面ベースとはいえ、それだけの年金収入があれば、ある程度の生活水準を維持できるかもしれません。
では、現在のシニア世代で、実際に「月額30万円以上」の年金を受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか。
この記事では、厚生労働省の公表資料をもとに、高額受給者の実態をデータで確認していきます。
※本記事でご紹介する厚生年金受給額は、全て国民年金(基礎年金)が含まれます。
1. 公的年金のしくみ「国民年金・厚生年金」とは?
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
1.1 国民年金(1階部分):加入対象者・保険料・年金額の決定方法
国民年金は、基本的に日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する義務があります。
保険料は一律で、納付期間に応じて将来受け取ることができる老齢基礎年金の金額が決まります。
1.2 厚生年金(2階部分):加入対象者・保険料・年金額の決定方法
公務員や会社員が加入する厚生年金は、収入に応じた保険料を支払うため、受け取れる年金額も人によって大きな差が出ます。
現行制度では、厚生年金に一度も加入したことがない人が年金月額30万円以上を受け取るのは、ほぼ不可能といえます。
では、実際に厚生年金に加入している人の中で、月額30万円以上を受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか?