6. 【平均寿命】男性が81.09年、女性が87.13年に
平均余命とは、特定の年齢の人々が「あと何年生きられるか」を示す期待値です。
そして、私たちがしばしば使う「平均寿命」という言葉は、「(現時点での)0歳の平均余命」を指します。
2025年7月25日に厚生労働省が公表した「令和6年簡易生命表の概況」によると、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。
また、平均寿命の長期的な推移を見ると、男女ともに着実に延びています。
- 昭和30年(1955年) 男63.60 女67.75 男女差4.15
- 昭和40年(1965年) 男67.74 女72.92 男女差5.18
- 昭和50年(1975年) 男71.73 女76.89 男女差5.16
- 昭和60年(1985年) 男74.78 女80.48 男女差5.70
- 平成7年(1995年) 男76.38 女82.85 男女差6.47
- 平成17年(2005年) 男78.56 女85.52 男女差6.96
- 平成27年(2015年) 男80.75 女86.99 男女差6.24
- 令和6年(2024年) 男81.09 女87.13 男女差6.03
長くなった老後を豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な貯蓄や資産形成、さらには公的年金制度への理解が大切となってくるでしょう。
7. 年金生活に備えて...個人金融資産が過去最高の2239兆円
2025年9月18日日本銀行が発表した資金循環統計によると、家計部門が保有する金融資産残高は2023年9月末の2141兆円から、2025年6月末には2239兆円へと増加しました。
およそ2年弱で約100兆円増と、大きな伸びを見せています。背景には、株式市場の好調さや、NISA制度の拡充などを受けた個人の投資意欲の高まりがあるとみられます。
構成比をみると、現金・預金が半分以上を占める一方で、株式や投資信託といったリスク資産の存在感が増しています。主な内訳と動きは次の通りです。
- 現金・預金:1126兆円(構成比50.3%、前年比▲0.1%)
- 株式等:294兆円(構成比13.1%、前年比+4.9%)
- 投資信託:140兆円(構成比6.3%、前年比+9.0%)
- 保険・年金・定型保証:566兆円(構成比25.3%、前年比▲0.6%)
なかでも、投資信託は新NISA制度による非課税枠拡大を背景に大きく伸びており、個人投資家の資産運用志向の高まりがうかがえます。
一方で、保険や年金といった保障性資産はわずかに減少しており、投資に偏りつつある兆しも見えます。今後は、リターンを追う投資と「もしも」に備える保障のバランスをどう取るかが重要になりそうです。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「いっしょに検証!公的年金 公的年金の仕組み」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
三石 由佳