日本銀行が発表した資金循環統計によると、2025年6月末時点で家計部門が保有する金融資産残高は2239兆円と過去最高を更新しました。
株価上昇や新NISA制度の拡充を背景に、投資信託や株式などのリスク資産が伸び、個人の資産運用志向が一段と高まっています。
とはいえ、資産全体が増えているといっても、世代によって保有状況には大きな差があります。特に、老後生活の柱となるシニア世帯の金融資産や年金の実態を知っておくことは、将来設計に欠かせません。
この記事では、平均年金額の実態と、2025年度最新の年金額についてわかりやすく解説します。
1. 2025年度「1.9%増」で年金額はいくらになった?
公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9%引き上げられています。
公表された年金額例を見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円となっています。
また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫+国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準