6. 【所得税の基礎控除額】「令和7年度税制改正」で改定に!年末に還付あり
老齢年金からは、所得税や介護保険料などの各種税金や保険料が差し引かれます(※)。
このうち、所得税の基礎控除額が「令和7年度税制改正」で改定されました。
6.1 令和7年分の所得税の源泉徴収と還付イメージ
そのため2025年10月の年金支給時までは「改正前の所得税額」で源泉徴収をおこない、2025年12月の年金支給時に、「改正後の金額と改正前の金額の差額」が還付されることになっています。
※年金からの天引きとはならないケースもあります。
7. まとめにかえて
ここまで年金一覧表を使って、シニア世代の年金額について詳しく見てきました。
現行制度では、受け取る年金額は現役時代の収入や加入期間、どの年金に加入していたか等によって大きく変わります。
特に国民年金だけの人と厚生年金に加入していた人では、月額にかなりの差があり、老後の生活水準に影響します。
さらに、物価の上昇や医療費の負担増を考えると、年金だけに頼るのは難しいのが現実です。
これからは、年金で暮らしていくための工夫とあわせて、働き方の柔軟化や自助努力を支える仕組みが必要になります。安心して老後を過ごすために、制度と個人の両面から備えを進めることが大切です。
参考資料
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
- 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
筒井 亮鳳
