6. まとめにかえて
今回は60歳から90歳以上のシニアが受け取っている年金の受給額について1歳刻みで詳しく見てきました。またどのくらいの数の方がいくらぐらいの年金額を受け取っているかを受給額の分布でも確認しました。
私たちが将来受け取る年金額というのは現役時代の働き方によって個人差があります。例えば、自営業やフリーランスとして働く方たちは、主に受け取れる年金が国民年金のみとなります。国民年金の平均受給額は5万7584円ですから、年金だけで老後の生活を支えるのは非常に厳しいでしょう。
そのため、自営業の方たちは老後に向けて手厚い備えをしておく必要があります。一方、公務員や会社員については国民年金と厚生年金の両方を受け取れるため、自営業などの方に比べれば受け取れる年金額は多いです。ただし、一般的に厚生年金の受給額は現役時代に収入が多かった方の方が年金額も多い傾向にあります。
そのため月に10万円未満の年金額しか受け取れない方もいれば、月額20万円以上の年金額を受け取れる人もいます。
本記事でとり上げた平均受給額はあくまで参考値として留めておいて、まずは自分の年金見込額をねんきんネットなどで確認し、必要あれば老後資金をつくる準備をはじめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
鶴田 綾