4. まとめにかえて

今回は、障害年金制度の現状と、公平性・透明性の向上を目指した審査方法の見直しについて解説しました。新規・再認定の支給件数で、《精神障害・知的障害》が約7割と最も多く、この分野への支援ニーズが高いことがわかりました。

不支給率増加への対応として、不支給事案の再精査や、判断の根拠を明確にするための審査書類の抜本的改正が進められています。特に、「事前確認票」は客観的事実のみ、「認定調書」は不支給等の判断理由を丁寧に記載するようになり、審査の透明性が大きく向上することが期待されます。

こうした改善によって、これまで制度に不安を感じていた方も、「なぜその判断になったのか」を理解しやすくなるはずです。

障害年金は、もしも働けなくなったり、生活に困難が生じたりした場合に、私たちを経済的に支える大切な「社会保障」です。制度が改善している今こそ、「自分事」として捉え、ご自身がどの年金制度に加入しているか、また万が一の際に「いくらもらえるのか」といった制度の全体像を把握しておくことが大切です。

今回の情報を通じて、ご自身やご家族の安心できる未来への備えを今一度考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美