長年続いた超低金利時代に変化の兆しが現れ、個人向け国債の金利も徐々に上昇しています。

2025年10月現在、変動10年型・固定5年型ともに1%超と、ここ10年で比較的高い水準になりました。

「今が買い時では?」と考える人も少なくありません。

しかし、ネットや投資家の間では「それでも買うべきではない」という慎重な意見も根強くあります。

個人向け国債は、日本政府が元利金の支払いを約束しているため、元本割れリスクが極めて低い商品として位置づけられていますが、なぜ一部では「買わない方がよい」と囁かれているのでしょうか。その背景と理由を整理してみます。

1. 個人向け国債とは?安全性と基本の仕組み

個人向け国債は、日本政府が個人投資家向けに発行する債券です。

国が元利金の支払いを約束しているため、極めて安全性の高い金融商品として位置づけられます。

主な種類は以下の通りです。

  • 変動金利・10年満期
  • 固定金利・5年満期
  • 固定金利・3年満期

財務省の公式サイトでは以下のように、詳細の記載があります。

また、現在募集中(2025年10月6日~10月31日)の個人向け国債の金利は以下のとおりです。

国債の金利一覧

国債の金利一覧

出所:財務省「個人向け国債窓口」

  • 変動金利型10年:1.08%
  • 固定金利型5年:1.22%
  • 固定金利型3%:1.01%

変動10年、固定5年の利率は1%を越えており、魅力的な商品だと感じる方も多いのではないでしょうか。

2025年8月の最新の個人向け国債の種類別の応募額は、下記のとおりです。変動10年と固定5年商品が人気であることがわかるでしょう。(出所:財務省「個人向け国債の応募額(令和7年9月)」

  • 個人向け利付国庫債券(変動10年)第186回債:1319億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定 5年) 第174回債:2352億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定 3年) 第184回債:743億円

また、1万円から購入可能であり、購入後1年を経過すれば中途解約も可能(※)という柔軟さも魅力のひとつです。

※中途解約時には、直近2回分の利子相当額が差し引かれます。