3. まだ間に合う!厚生年金受給額を増やす2つの方法

これから厚生年金受給額を増やすためにできる方法を2つご紹介します。

3.1 60歳以降も厚生年金に加入して働く

厚生年金に加入して加入期間を長くすると、将来の受給額を増やすことが可能です。

先にも触れたように、厚生年金受給額を増やすには、年収を上げたり加入期間を長くしたりする必要があります。

年収を上げるには、より好条件の仕事に転勤したり、スキルアップして昇給を狙ったりするなどの方法がありますが、収入を上げるのは簡単なことではないでしょう。

そこで、60歳以降も厚生年金に加入して働くと加入期間を延ばせることから、受給額アップにつなげることが可能です。

また、現在配偶者の扶養の範囲内で働いている場合は、扶養を抜けて自分で厚生年金保険に加入するのも一つの方法です。

3.2 繰下げ受給を利用する

厚生年金は、原則として65歳から支給開始となりますが、希望により75歳までの間に「繰下げ受給」をすることが可能です。

繰下げた期間に応じて受給額が増額され、増額率は一生涯変わることはありません。

1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、例えば75歳まで繰下げた場合は最大84%の増額となります。

70歳まで繰下げた場合は、42%の増額です。

年金の繰下げ受給の仕組み

年金の繰下げ受給の仕組み

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

ただし、繰下げ受給を利用する際には、加給年金や振替加算も考慮して検討する必要があります。

また、繰下げることで生活費が不足することのないよう注意しましょう。

4. ライフスタイルや家計に合った方法で老後の準備を

厚生年金+国民年金を支給日に30万円(月額15万円)以上もらっている人の割合は47.6%で、厚生年金受給者のおよそ半数近くが該当していることがわかりました。

しかし、国民年金だけを受給している人もおり、その数を合計すると年金受給者全体で実際に30万円(月額15万円)受給している人の割合はもっと少なくなると考えられます。

老後を少しでもゆとりあるものにできるよう、年金受給額を増やしたい人は、今回ご紹介した「厚生年金に加入して働く」「繰下げ受給をする」など、ライフスタイルや家計に合った方法を検討してみましょう。

参考資料

木内 菜穂子