厚生年金・国民年金は、偶数月の原則として15日が振込日となっており、次回は12月15日です。
年金額は保険料の納付実績や現役時代の年収などにより一人ひとり異なるため、ほかの人はどのくらいもらっているのか気になる人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、年金支給日に厚生年金+国民年金を30万円(月額15万円)以上もらえる人は何パーセントいるのか解説するとともに、年金の受給額を増やす方法についてご紹介します。
1. 【厚生年金+国民年金】2カ月に1度「30万円支給される人」とは
年金支給日に厚生年金が「30万円支給される人」とは、月額15万円を支給される人です。
というのも、厚生年金や国民年金は年に6回、偶数月の原則として15日※に、前月と前々月分がまとめて支給されるためです。
つまり、12月15日に支給される厚生年金は、10月分と11月分の合計額であり、それぞれが15万円だと支給額は30万円になります。
なお、厚生年金支給額には国民年金分も含まれています。
では、厚生年金が30万円(月額15万円)支給される人はどのくらいいるのか、次章で詳しく見ていきましょう。
※15日が土日祝日のときはその直前の平日に支給
2. 厚生年金+国民年金「30万円(月額15万円)以上もらえる人」は何パーセントいる?
厚生年金+国民年金を支給日に「30万円(月額15万円)以上支給される人」の割合について、厚生労働省年金局が公表した「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに解説します。
具体的な割合の前に、まずは厚生年金受給額ごとの受給権者の分布状況を確認しましょう。
2.1 厚生年金受給額ごとの受給権者割合
厚生年金受給額が「月額1万円未満」から「月額30万円以上」までの受給権者および受給権者割合は以下の通りです。
【厚生年金受給額ごとの受給権者割合】(国民年金部分を含む)
- 月額1万円未満:0.28%
- 月額1万円以上2万円未満:0.09%
- 月額2万円以上3万円未満:0.31%
- 月額3万円以上4万円未満:0.58%
- 月額4万円以上5万円未満:0.61%
- 月額5万円以上6万円未満:0.85%
- 月額6万円以上7万円未満:2.34%
- 月額7万円以上8万円未満:3.97%
- 月額8万円以上9万円未満:5.44%
- 月額9万円以上10万円未満:6.73%
- 月額10万円以上11万円未満:7.01%
- 月額11万円以上12万円未満:6.57%
- 月額12万円以上13万円未満:5.97%
- 月額13万円以上14万円未満:5.75%
- 月額14万円以上15万円未満:5.89%
- 月額15万円以上16万円未満:6.14%
- 月額16万円以上17万円未満:6.39%
- 月額17万円以上18万円未満:6.56%
- 月額18万円以上19万円未満:6.37%
- 月額19万円以上20万円未満:5.84%
- 月額20万円以上21万円未満:4.99%
- 月額21万円以上22万円未満:3.90%
- 月額22万円以上23万円未満:2.72%
- 月額23万円以上24万円未満:1.78%
- 月額24万円以上25万円未満:1.18%
- 月額25万円以上26万円未満:0.75%
- 月額26万円以上27万円未満:0.45%
- 月額27万円以上28万円未満:0.25%
- 月額28万円以上29万円未満:0.13%
- 月額29万円以上30万円未満:0.06%
- 月額30万円以上:0.09%
「月額9万円以上12万円未満」と「月額15万円以上19万円未満」の2ヵ所にボリュームゾーンが見られますが、これは男女別の厚生年金+国民年金の「受給額の平均額」と考えられます。
厚生年金+国民年金の、全体・男性・女性それぞれの平均受給額(月額)は以下の通りです。
- 全体:14万6429円
- 男性:16万6606円
- 女性:10万7200円
厚生年金+国民年金の平均受給額は、男性が16万6606円、女性が10万7200円です。
いずれも、ボリュームゾーンに該当していることがわかるでしょう。
平均受給額は、男性の方が女性よりも6万円ほど高額になっています。
厚生年金受給額は、現役時代の収入や厚生年金保険への加入期間などによって決まり、年収が高いほど、また加入期間が長いほど高額になるのが一般的です。
したがって、男性の方が女性よりも高額になっていると考えられます。
2.2 約半数の人が厚生年金+国民年金を「30万円(月額15万円)以上」受給している
前述した一覧表より、厚生年金+国民年金の受給額が「月額15万円以上の人」の割合は47.6%です。
およそ半数近くの人が該当していることになり、実際に厚生年金+国民年金の「全体の平均受給額は14万6429円」とされており、約15万円と一致しています。
しかし、男女別の平均受給額から見ると、15万円以上支給されている人の多くは男性であると考えられます。
受給額が十分でない人は、老後に経済的な不安を感じやすくなる可能性があるため、受給額を増やす方法を検討することをおすすめします。
では、厚生年金受給額を増やすにはどのような方法があるのか、次章で確認していきましょう。
3. まだ間に合う!厚生年金受給額を増やす2つの方法
これから厚生年金受給額を増やすためにできる方法を2つご紹介します。
3.1 60歳以降も厚生年金に加入して働く
厚生年金に加入して加入期間を長くすると、将来の受給額を増やすことが可能です。
先にも触れたように、厚生年金受給額を増やすには、年収を上げたり加入期間を長くしたりする必要があります。
年収を上げるには、より好条件の仕事に転勤したり、スキルアップして昇給を狙ったりするなどの方法がありますが、収入を上げるのは簡単なことではないでしょう。
そこで、60歳以降も厚生年金に加入して働くと加入期間を延ばせることから、受給額アップにつなげることが可能です。
また、現在配偶者の扶養の範囲内で働いている場合は、扶養を抜けて自分で厚生年金保険に加入するのも一つの方法です。
3.2 繰下げ受給を利用する
厚生年金は、原則として65歳から支給開始となりますが、希望により75歳までの間に「繰下げ受給」をすることが可能です。
繰下げた期間に応じて受給額が増額され、増額率は一生涯変わることはありません。
1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、例えば75歳まで繰下げた場合は最大84%の増額となります。
70歳まで繰下げた場合は、42%の増額です。
ただし、繰下げ受給を利用する際には、加給年金や振替加算も考慮して検討する必要があります。
また、繰下げることで生活費が不足することのないよう注意しましょう。
4. ライフスタイルや家計に合った方法で老後の準備を
厚生年金+国民年金を支給日に30万円(月額15万円)以上もらっている人の割合は47.6%で、厚生年金受給者のおよそ半数近くが該当していることがわかりました。
しかし、国民年金だけを受給している人もおり、その数を合計すると年金受給者全体で実際に30万円(月額15万円)受給している人の割合はもっと少なくなると考えられます。
老後を少しでもゆとりあるものにできるよう、年金受給額を増やしたい人は、今回ご紹介した「厚生年金に加入して働く」「繰下げ受給をする」など、ライフスタイルや家計に合った方法を検討してみましょう。
参考資料
木内 菜穂子