2. 厚生年金+国民年金「30万円(月額15万円)以上もらえる人」は何パーセントいる?
厚生年金+国民年金を支給日に「30万円(月額15万円)以上支給される人」の割合について、厚生労働省年金局が公表した「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに解説します。
具体的な割合の前に、まずは厚生年金受給額ごとの受給権者の分布状況を確認しましょう。
2.1 厚生年金受給額ごとの受給権者割合
厚生年金受給額が「月額1万円未満」から「月額30万円以上」までの受給権者および受給権者割合は以下の通りです。
【厚生年金受給額ごとの受給権者割合】(国民年金部分を含む)
- 月額1万円未満:0.28%
- 月額1万円以上2万円未満:0.09%
- 月額2万円以上3万円未満:0.31%
- 月額3万円以上4万円未満:0.58%
- 月額4万円以上5万円未満:0.61%
- 月額5万円以上6万円未満:0.85%
- 月額6万円以上7万円未満:2.34%
- 月額7万円以上8万円未満:3.97%
- 月額8万円以上9万円未満:5.44%
- 月額9万円以上10万円未満:6.73%
- 月額10万円以上11万円未満:7.01%
- 月額11万円以上12万円未満:6.57%
- 月額12万円以上13万円未満:5.97%
- 月額13万円以上14万円未満:5.75%
- 月額14万円以上15万円未満:5.89%
- 月額15万円以上16万円未満:6.14%
- 月額16万円以上17万円未満:6.39%
- 月額17万円以上18万円未満:6.56%
- 月額18万円以上19万円未満:6.37%
- 月額19万円以上20万円未満:5.84%
- 月額20万円以上21万円未満:4.99%
- 月額21万円以上22万円未満:3.90%
- 月額22万円以上23万円未満:2.72%
- 月額23万円以上24万円未満:1.78%
- 月額24万円以上25万円未満:1.18%
- 月額25万円以上26万円未満:0.75%
- 月額26万円以上27万円未満:0.45%
- 月額27万円以上28万円未満:0.25%
- 月額28万円以上29万円未満:0.13%
- 月額29万円以上30万円未満:0.06%
- 月額30万円以上:0.09%
「月額9万円以上12万円未満」と「月額15万円以上19万円未満」の2ヵ所にボリュームゾーンが見られますが、これは男女別の厚生年金+国民年金の「受給額の平均額」と考えられます。
厚生年金+国民年金の、全体・男性・女性それぞれの平均受給額(月額)は以下の通りです。
- 全体:14万6429円
- 男性:16万6606円
- 女性:10万7200円
厚生年金+国民年金の平均受給額は、男性が16万6606円、女性が10万7200円です。
いずれも、ボリュームゾーンに該当していることがわかるでしょう。
平均受給額は、男性の方が女性よりも6万円ほど高額になっています。
厚生年金受給額は、現役時代の収入や厚生年金保険への加入期間などによって決まり、年収が高いほど、また加入期間が長いほど高額になるのが一般的です。
したがって、男性の方が女性よりも高額になっていると考えられます。
2.2 約半数の人が厚生年金+国民年金を「30万円(月額15万円)以上」受給している
前述した一覧表より、厚生年金+国民年金の受給額が「月額15万円以上の人」の割合は47.6%です。
およそ半数近くの人が該当していることになり、実際に厚生年金+国民年金の「全体の平均受給額は14万6429円」とされており、約15万円と一致しています。
しかし、男女別の平均受給額から見ると、15万円以上支給されている人の多くは男性であると考えられます。
受給額が十分でない人は、老後に経済的な不安を感じやすくなる可能性があるため、受給額を増やす方法を検討することをおすすめします。
では、厚生年金受給額を増やすにはどのような方法があるのか、次章で確認していきましょう。