赤色の眩しいのろしの炎と
そこらじゅうで炸裂する爆弾が
我らの旗がそこにあることを夜通し教えてくれた
星条旗はまだひるがえっているか
自由の地と勇気ある者の上に

一番の後半歌詞からは、すさまじい戦闘の様子が彷彿としてきます。

「星条旗」が正式にアメリカ国歌になるのは1931年ですが、その以前にも事実上の国歌といえる2つの楽曲がありました。初代国歌ともいえるのは、1798年作詞の「コロンビア万歳」です。大統領就任式をはじめ様々な公式の場で演奏されていました。

二代目は、イギリス国歌・女王陛下万歳と同じメロディの「マイカントリー」です。「星条旗」が正式に国歌になる前は、むしろ、こちらのほうが国歌としての役割を果たしていたようです。

コロンビアという一つの地域に注視した初代国歌が正式国歌にならなかった理由は想像できなくもありません。

二代目国歌は、自由や自然を歌詞にしており、選ばれなかった理由は不明です。曲がかつての敵国イギリス国歌と同じだったからかもしれません。しかし、「星条旗」のメロディもイギリスの酔っぱらいの歌に基づいているとも言われています。

さらにペリーの黒船来航時に演奏されていた「ヤンキー・ドゥードゥル」も事実上の国歌と言えます。あの「アルプス一万尺」の原曲です。

「星条旗よ永遠なれ」との混同に、ご注意を!

ところで、たまにアメリカ国歌を「星条旗よ永遠なれ」だと勘違いしている人を見かけます。この2つは全く別の曲で、「永遠なれ」は行進曲。とはいえ、法的にも正式に認められています。どちらも「旗」なのは、偶然でしょうか。

参考『国のうた』弓狩 匡純、『世界の国歌』国歌研究会、世界の国家・行進曲(world-anthem.com)

間宮 書子