4. まとめにかえて
この記事では、厚生年金(国民年金を含む)の平均月額14万6429円を上回る「月15万円以上」を受けとる人がどれくらいいるのか?という視点から、年金額の実態を確認しました。
いまのシニア世代は、月15万円未満の年金を受けとって暮らす人が大半であることが分かりました。
総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」によると、二人以上世帯の食費は平均7万5258円。シニア世帯に絞って見ると、以下の通りとなります。
全体平均 7万5258円
- 65~69歳 7万7405円
- 70~74歳 7万4322円
- 75~79歳 6万8274円
- 80~84歳 6万6257円
- 85歳~ 6万3347円
食費以外に必要な住居費、光熱費、医療費などを合わせると、月15万円未満の年金収入だけで生活をやりくりするのは、非常に難しい状況にあると言えます。
さらに、将来は少子化の影響で年金給付水準が今よりも下がる可能性も否定できません。
この現実を踏まえ、現役世代にとって、公的年金に頼るだけでなく、老後に向けた資産形成は必須と言えるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
和田 直子