戻りが鈍い日本株、上昇トレンドへの転換は期待できるか?

2019年2月17日 テクニカル分析

米株式相場は順調に回復するが、日本株の戻りは遅い

2019年2月15日の日経平均株価の終値は、前日より239円08銭安の20,900円63銭となりました。15日こそ若干の調整となりましたが、先週は前週の下落から一転して大幅に戻しました。13日には終値で21,144円と、心理的な節目となる21,000円台を回復。14日の終値も21,139円71銭と、21,000円台を維持しました。

背景にはまず、米政府機関の再閉鎖が回避できる公算が大きくなったことがあります。米議会の民主、共和両党間の協議で暫定的に合意がなされました。また、米中貿易交渉についても、ムニューシン米財務長官らが、順調に進展していると語ったことから、投資家の間に安心が広がりました。

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さらに日本株にとっては、為替相場が先週、一時1ドル=111円台と、昨年12月下旬以来ほぼ1か月半ぶりの円安水準となったことも追い風となりました。

今週以降の動きはどうなるでしょうか。引き続き、米国株式相場など外部環境に左右される展開が続きそうです。ただ心配なのは、ネガティブな動きには敏感に反応するものの、ポジティブな動きには日本株の戻りが遅いことです。

15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、25,883ドルと昨年11月9日以来の高値となりました。ダウ平均は8週連続の上昇と順調に値を戻していますが、日本株は出遅れ感があります。

トランプ大統領の言動に一喜一憂する展開も続きそうです。米中貿易協議についてトランプ氏は、協議が順調に進展していると語るとともに、3月1日までとされていた関税引き上げ期限を延長する可能性があると示唆しました。

一方で、トランプ氏は15日、メキシコとの国境の壁の建設を進めるために非常事態を宣言しました。野党の民主党は反発を強めており、政策運営が停滞するリスクが高まっています。今週初、市場がどのように反応するのか、注目したいところです。

昨年10月からの下降トレンドラインを上抜ける

先週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末の2月8日にはローソク足の実体が25日移動平均線を割り込みました。週明けに25日線を回復できなければ、ここが上値抵抗線に変わる可能性があり、心配されたところでした。

しかし、連休明けの12日には大きな陽線となって25日線を回復、さらに翌13日も窓をあけて上昇しました。一時は75日移動平均線も回復しています。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。14日、15日は上昇一服といった動きで若干の調整となりましたが、それでも13日の窓を埋めるほどではありませんでした。また、15日のローソク足の実体も5日線に下値をサポートされています。その点では押し目買いの好機と見ていいでしょう。

さらに注目すべきは、トレンドの転換への期待です。年明けから上昇したとは言え、10月2日の高値(24,448円)と12月3日の高値(22,698円)を結ぶ下降トレンドの中での短期的な上昇の動きでしたが、先週の上昇により、このトレンドラインの上限を上抜けました。中期的な下降トレンドが終わり、上昇トレンドへ転換することが期待できます。

今週はまず心理的な節目である21,000円を回復できるかどうかが大きなポイントです。その後は2月14日の高値の21,235円が足元の上値めどとなります。その次は、昨年の10月2日から12月26日の下落幅の半値戻しとなる21,713円が目標になるでしょう。

ここまで来ると、前述した下降トレンドを完全に上抜けていることに加え、75日線も回復していることから「半値戻しは全値戻し」への期待も高まります。

逆にここから調整があるとすれば、下値めどは25日線の20,700円付近、2月8日の安値(20,315円)、心理的な節目となる20,000円あたりになるでしょう。

下原 一晃

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。