4. 国民年金と厚生年金、繰下げ受給の増額イメージとは?
老齢年金の受給開始を「繰下げ受給」のしくみを使って後ろ倒しすると、繰下げた月数に応じて年金額が増えます。
繰下げ受給の増額率は、以下の計算式で表すことができます。
増額率(最大84%※1) = 0.7% × 65歳に達した月※2から繰下げ申出月の前月までの月数※3
※1 昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなるため増額率は最大で42%となる
※2 年齢の計算は「年齢計算に関する法律」に基づいて行われ、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になる
※3 65歳以後に年金を受け取る権利が発生した場合は、年金を受け取る権利が発生した月から繰下げ申出月の前月までの月数で計算される
繰下げタイミングの上限となる「75歳0か月」で受給した場合、増額率は84.0%です。
5. まとめにかえて
ここまで年金一覧表を用いて年金月額の平均について見てきました。最近では少子高齢化の影響から年金額が減っていくのではないかと心配の声をよく耳にしますが、実際には年金額は増えていっているというのが現状です。
しかし、今後も増え続けるとは限らず物価上昇もあることから年金だけで老後の生活を送るというのは難しくなるかもしれません。このようなことからなるべく早い時期から老後の資産形成について考える必要があるかと思います。
昨今では新NISAやiDeCoのような資産運用を活用した方法もありますのでまずは自分自身で詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
筒井 亮鳳