3. 生命保険、見直しの視点「公的保険の不足を補うとは?」
ケガや病気など、日常生活で起こりうる様々なリスクに備えるための手段として「公的保険」と「民間保険」の2種類があります。まず大前提として、日本では公的保険が充実しており、原則として国民全員が加入しています。しかし、公的保険はあくまで生活を支えるための基本的な保障であり、医療費の自己負担分や、入院時の差額ベッド代、先進医療の技術料など、公的保険の適用外となる費用が存在します。
公的保険制度では「ケガ・病気」「死亡」「老齢」「介護・認知症」「障害」「失業」といった生活における主なリスクに対して、それぞれ「公的医療保険」「公的年金」「労災保険」などで基本的な備えが設けられています。一方で、「民間保険」は、これらの公的保険の保障を補完する役割を担っています。
公的保険で守りきれない部分を民間保険で補うという考え方は、民間保険の選び方・見直しにおける重要な検討ポイントとなります。ご自身の生活環境や将来設計に基づき、公的保険の保障内容を理解した上で、不足する部分を補うために、必要に応じて民間保険への加入を検討することが大切です。
民間保険は任意加入ですが、万が一の事態から自分たちの暮らしを守るための重要な備えの一つといえるでしょう。
4. まとめにかえて
今回は、生命保険協会のデータをもとに、世代ごとの保険選びの傾向について解説しました。若年層が一時的な大きな責任に備えて定期保険を選ぶ一方、50歳代、特に60歳以上の層では「生涯にわたる安心」を求める終身保険のニーズが明確になっています。この世代間の違いは、人生のステージが進むにつれて、備えるべきリスクや必要な保障内容が変化していくことで説明できます。
公的保険制度の保障内容をしっかり把握し、不足する部分を民間保険で賢く補うという考え方は、保険の見直しにおける変わらない大前提です。生命保険料控除証明書が届き、ふと立ち止まるこの時期こそ、あなたの今の暮らしと将来設計に、現在の保障内容が本当に合っているかを確認する絶好の機会です。前向きな気持ちでご自身の保険を見直してみてはいかがでしょうか。