4. 介護保険料の高い自治体・低い自治体

2025年度の基準額の全国平均は6225円です。しかし、介護保険料は、基準額をもとに市区町村ごとに決められます。そのため、自治体によって差が出やすいお金です。

保険料が高い自治体・低い自治体の上位10位を見てみましょう。

保険料が高い自治体・低い自治体の上位10位

保険料が高い自治体・低い自治体の上位10位

出所:厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」をもとに筆者作成

保険料が高い自治体

  • 大阪府大阪市:9249円
  • 大阪府守口市:8970円
  • 大阪府門真市:8749円
  • 岩手県西和賀町:8100円
  • 青森県七戸町:7900円
  • 東京都檜原村:7900円
  • 大阪府松原市:7900円
  • 青森県東北町:7880円
  • 青森県東通村など:7800円
  • 青森県六ヶ所村など:7700円

保険料が低い自治体

  • 東京都小笠原村:3374円
  • 北海道音威子府村:3600円
  • 群馬県草津町:3600円
  • 宮城県大河原町:4000円
  • 北海道根室市:4300円
  • 北海道深川市:4300円
  • 北海道登別市:4300円
  • 埼玉県鳩山町:4300円
  • 千葉県栄町:4300円
  • 北海道広尾町:4400円

保険料の高い自治体は、大阪府が上位を占めています。所得の低い人や単身世帯が多いことが、保険料が上がっている要因と考えられます。

大阪市を例に見てみると、2020年時点での大阪市の単身高齢者数は21万3260人となっています。当時の人口は275万2412人ですから、人口の約8%が単身の高齢者です。

単身世帯では身寄りがなく、生活が困難な健康状態になると介護に頼らざるを得ません。介護サービスを使う人が増える可能性が高いため、保険料を高く設定せざるを得ないのです。

一方、低い自治体は保険料が3000円台のところもあります。人口の少なさや介護予防施策の充実などが、低い要因と考えられます。

住んでいる自治体の保険料を、平均や上記の自治体と比べてみてください。

5. まとめ

介護保険料は、65歳から労使折半がなくなったり計算の仕方が変わったりするため、これまでよりも高くなりがちです。保険料は年金から差し引かれるのが一般的で、基本的に納め忘れの心配はないでしょう。

介護保険料の増加は、家計にも影響を与えます。これを機に、支出の見直しなどにトライしてみるとよいでしょう。

参考資料

石上 ユウキ