1.2 「年金額面」が変わるケースとは?
次に、年金の支給額そのものが10月から変動するケースについて見ていきましょう。
代表的なのが「在職老齢年金」による減額です。
在職老齢年金とは、働きながら老齢厚生年金を受け取る場合に適用される制度で、「老齢厚生年金の基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計が一定の基準を超えると、その分の年金が一部または全額支給停止となる仕組みです。
このため、基準を上回る収入がある人は、10月以降の年金額が減少することがあります。
2025年度における在職老齢年金の基準額は「51万円」と定められています。
したがって、厚生年金の月額と給与の合計がこの水準に達する場合は、年金が減額される可能性があるため注意が必要です。
また、「在職定時改定」によっても年金額が変わることがあります。
これは、65歳以上70歳未満で厚生年金に加入しつつ老齢厚生年金を受け取っている人が対象で、基準日である9月1日に被保険者である場合、10月支給分から年金額が再計算され、見直しが反映される仕組みです。
このように、年金の「支給額そのもの」が変わる場合と、「税金や保険料の天引き額」が変わることで手取り額が変わる場合があります。
いずれのケースでも通知書が届きますので、必ず内容を確認しておくことが大切です。
では実際に、現在のシニア世代はどの程度の年金を受け取っているのでしょうか。