ひと昔前は、60歳で定年を迎え年金をもらい始め悠々自適な老後生活を迎える。そんなことが当たり前の時代でした。
今は60歳を過ぎても雇用に対する需要が増え、働いている人がいても珍しくない時代になりました。

令和3年4月1日には、高年齢者雇用安定法の改正され事業主には以下の項目を努力義務として位置づけられました。主な改正の内容として、事業主は、

(1)70 歳までの 定年の引上げ 
(2)定年制 の廃止  
(3)70 歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
    (特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む)  
(4)70 歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入  
(5)70 歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
    a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
      b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

となっています。

老後が70歳からという時代も近い将来当たり前になるかもしれません。

今回は、70歳代のおひとりさまの「平均貯蓄額」について見ていきましょう。

1. 「高齢者のおひとりさま世帯」はどのくらいいる?

まずは、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」を参考に、65歳以上がいる世帯の世帯構造をみてみましょう。

1.1 65歳以上がいる世帯の「世帯構造」はどうなっている?

  • 単身世帯:32.7%
  • 夫婦のみ世帯:31.8%
  • 親と未婚の子のみの世帯:20.4%
  • 三世代世帯:6.3%
  • その他の世帯:8.8%

2024年時点では、「単身世帯」が最も多く、次いで「夫婦のみの世帯」、「親と未婚の子のみの世帯」の順となっています。