株式市場の振り返り-日経平均株価は大幅続落、一時▲436円安で今年2番目の下落率
2019年2月8日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 20,333円(▲418円、▲2.0%) 大幅続落
- TOPIX 1,539.4(▲29.6、▲1.9%) 大幅3日続落
- 東証マザーズ総合指数 853.2(▲17.1、▲2.0%) 大幅続落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:288、値下がり銘柄数:1,801、変わらず:38
- 値上がり業種数:1、値下がり業種数:32
- 昨年来高値更新銘柄数:4、昨年来安値更新銘柄数:81
東証1部の出来高は14億6,383万株、売買代金は2兆8,334億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株の大幅安を受けて売りが優勢になったことに加え、ミニSQ算出日に伴う売買嵩上げもあり、売買代金は2兆8,000億円超まで増加しました。ただ、ミニSQ算出日としては、やや盛り上がりに欠けた商いだったと言えましょう。
そのような中、日経平均株価は米国株安などを受け、終日大幅マイナス圏での推移となりました。寄り付き間もなく一時▲189円安まで下げ幅を縮小したのも束の間、そこから徐々に下値を模索する展開となりました。後場の半ばには一時▲436円安まで売られる場面も見られ、挽回も限定的なまま引けています。
ちなみに、終値の下落率(▲2.0%安)は、今年に入ってから大発会(▲2.3%安)に次ぐ2番目の大きさでした。
なお、TOPIXも同じような値動きで大幅下落となり、これで3日続落となりました。
東証マザーズ総合指数は続落、サンバイオ株の売買取引の比重は再び増加
東証マザーズの出来高は7,552万株、売買代金1,391億円となりました。出来高は前日より減りましたが、売買代金は増加しています。サンバイオ(4592)の売買取引は、出来高の約25%、売買代金の46%となっており、再び拡大しました。売買代金は増加しましたが、個人投資家の物色意欲の回復は実質的に減退したと見られます。
なお、総合指数も大幅下落となる続落となりました。900ポイント回復にはまだ相応の時間を要すると見られます。
ニコンが一時▲13%安に迫る暴落、最終赤字拡大のレオパレス21はストップ安
個別銘柄では、半導体関連株を中心としたハイテク株に急落が目立ち、前日に決算発表を行ったニコン(7731)が一時▲13%安に迫る暴落となり、東京エレクトロン(8035)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、SUMCO(3436)、リコー(7752)、シャープ(6753)などがいずれも終値で▲5%超安の急落となりました。
また、小売株も大きく売られ、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)や良品計画(7453)が▲4%超安の大幅安となり、J.フロント リテイリング(3086)と三越伊勢丹ホールディングス(3099)の百貨店株が昨年来安値を更新しています。
その他では、金融株にも幅広い売りが優勢となり、野村ホールディングス(8604)など証券株が大幅下落、りそなホールディングス(8308)が昨年来安値を更新するなど銀行株も軒並み安く推移したのが目を引きました。
さらに、前日に前澤社長がツイッター休止を発表して瞬間的に株価反発となったZOZO(3092)は一時▲10%弱安の暴落となり、昨年来安値を更新しています。
なお、建築基準法違反の疑いがある大量のアパートが新たに見つかったことで最終損益を最大▲400億円へ下方修正することを発表したレオパレス21(8848)は、売りが殺到して売買取引が成立せず、最後は比例配分ストップ安(▲20%弱安)で引けました。
一方、前日に異例のストップ高となったソフトバンクグループ(9984)がこの相場地合いでも小幅続伸となりましたが、通信子会社のソフトバンク(9434)は大幅安となりました。
また、自社株買いを発表したソニー(6758)が一時+7%高に迫る急騰となり、好決算を発表した富士フイルムホールディングス(4901)も同じく一時+7%高に迫る急騰となっています。
新興市場(東証マザーズ)では、前日に決算発表を行ったメルカリ(4385)が一時+10%超高の爆騰となりましたが、その後は上げ幅を縮小して引けました。また、前日にストップ高となったサンバイオ(4592)は大幅反落となり、ブライトパス・バイオ(4594)も急反落となっています。
葛西 裕一