株式市場の振り返り-日経平均株価は小反発、再び一時21,000円に迫るも徐々に失速

2019年2月6日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,874円(+29円、+0.1%) 小反発
  • TOPIX 1,582.1(▲0.7、▲0.1%) 3日ぶり小反落
  • 東証マザーズ総合指数 874.6(+5.8、+0.7%) 4日ぶり反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:936、値下がり銘柄数:1,106、変わらず:85
  • 値上がり業種数:15、値下がり業種数:18
  • 昨年来高値更新銘柄数:6、昨年来安値更新銘柄数:11

東証1部の出来高は12億5,015万株、売買代金は2兆2,858億円(概算)となり、いずれも前日より小幅増加となりました。米国株の続伸等の好材料はあったものの、模様眺めに徹する投資家も多く、盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は何とか2兆円台を維持しましたが、依然として低水準が続いています。

そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移しましたが、上値の重い展開となりました。前引け間際に一時+127円高まで上昇し、前日に続いて21,000円回復目前となりましたが、後場は上げ幅を徐々に縮小して推移しました。

後場の終盤には一時+16円高まで売られる場面も見られましたが、最後までプラス圏を維持して引けています。それにしても、21,000円の壁は思った以上に厚いのかもしれません。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、最後はマイナス圏に沈んだまま3日ぶりの反落となりました。これは、買い戻しが続いた中小型株に利食い売りが優勢になったと推測されます。

東証マザーズ総合指数は4日ぶり反発、サンバイオ株の売買取引の比重はやや低下

東証マザーズの出来高は8,284万株、売買代金1,395億円となり、いずれも前日より減少しました。見た目の数字は相応の水準ですが、サンバイオ(4592)の売買取引が、出来高の3分の1、売買代金の52%を占めています。まだ“サンバイオ・ショック”の後遺症は残っており、個人投資家の物色意欲は大きく減退したままと言えましょう。

なお、総合指数は4日ぶりの反発となりました。しかし、900ポイント回復にはまだ相応の時間を要するかもしれません。

資生堂が一時+8%超高の急騰、大幅安のソニーは昨年来安値を更新

個別銘柄では、米国の化粧品企業の好決算を受けた連想買いにより、資生堂(4911)が一時+8%超高の急騰となり、花王(4452)も大幅高となりました。

また、前日に好決算を発表したヤマハ(7951)が一時+14%高の大爆騰となり、終値でも+12%超高となっています。

その他では、ハイテク株でオリンパス(7733)、日立製作所(6501)、パナソニック(6752)などが大幅上昇となり、医薬品株では武田薬品工業(4502)が大きく値を上げたのが目を引きました。

一方、ソニー(6758)が一時▲4%超安の急落となって昨年来安値を更新し、前日に発表したQ3累計決算が営業減益となったスズキ(7269)も一時▲5%安に迫る急落となりました。

また、同じく前日に決算を発表したNTTデータ(9613)は通期予想の据え置きが嫌気され、一時▲10%超安の暴落となっています。

その他では、任天堂(7974)が一時▲6%安に迫る急落で大幅続落となり、取引時間中に決算発表を行ったトヨタ自動車(7203)は小幅安で引けました。

新興市場(東証マザーズ)では、アンジェス(4563)が値を飛ばしてストップ高となり、サンバイオ(4592)も買い戻しが入って反発して引けました。また、図らずも時価総額トップに返り咲いたメルカリ(4385)は大きく値を下げ、これで3日続落に終わっています。

葛西 裕一