5. 【ひとりの老後】シニアの貯蓄額は平均でいくらか

最後に金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」を参考に、高齢者世帯の平均貯蓄額を見ていきましょう。

  • 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
  • 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円

平均は1500万円を超えていますが、中央値は400万円前後となっています。個人差が大きいことがわかります。

6. 【ひとりの老後に向けて】生活費・収入・貯蓄のシミュレーションを

高齢者の単身世帯の増加の現状や、老後の生活費、年金の平均額、そして貯蓄の現状について見てきました。

厚生労働省のデータによると、食料困窮を経験する単身高齢者男性の割合が高いことからも、一人暮らしの老後には経済的な不安が高まることがわかります。

平均的な生活費が月16万円強であるのに対し、国民年金の平均月額は約5万7000円、厚生年金でも約14万6000円(国民年金を含む)と、年金収入だけでは生活費を賄えないケースが多いのが現状です。

持ち家の有無や、現役時代の年金加入状況によって個人差はありますが、多くの人が年金だけでは赤字になることが想定されます。

金融資産の保有状況を見ても、平均値は高水準である一方、中央値は低く、貯蓄額にも大きなばらつきがあることがわかりました。

将来の不安を減らすためには、早めの対策が重要です。ご自身の年金受給額や、退職後の収入・支出をシミュレーションし、計画的に貯蓄や資産形成を進めることが、安心して一人暮らしの老後を迎えるための第一歩となるでしょう。

参考資料

太田 彩子