5. 老後に向けてコツコツと資産形成を
今回は70歳代のお金事情について詳しく見てきました。
総務省統計局のデータによれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は毎月3万4058円となっています。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の資料によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の中央値は800万円です。
仮に、貯蓄800万円で毎月の赤字3万4058円を補てんして老後生活を送ろうと思っても、19年5カ月で貯蓄は底を尽いてしまいます。
日本は長寿大国と言われるほど、男女ともに長生きする方も多いです。仮に65歳で老後生活に突入して約20年で貯蓄が底を尽きたとしても、年齢的にはまだ85歳。
人生100年時代と言われる今の時代において、80歳代半ばで貯蓄が底を尽く事態は避けておいた方が良いでしょう。
そのため、いま現役世代の方は今のうちからコツコツ老後に向けて資産形成を始めておきましょう。
NISAやiDeCoといった制度を活用すれば、税制面で優遇を受けながら少額の積立投資が可能です。まとまった資金がない方や、投資初心者でも取り組みやすいでしょう。
また、投資のリスクはなるべく避けたいという方は、貯蓄型の保険商品を活用するのも一案です。
老後資金は自分のライフスタイルやリスク許容度にあった方法で準備することが大事です。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
鶴田 綾