「年金生活者支援給付金」という給付金を知っていますか。
2019年からスタートした給付金制度で、支給要件を満たしている限り「公的年金に上乗せして」2カ月に1度の偶数月に支給されるしくみとなっています。
ただし、たとえ支給対象になっていたとしても「請求手続き」を行わなければもらうことができません。
なお、2025年度の年金生活者支援給付金は、2024年度よりも2.7%増えています。
本記事では、年金生活者支援給付金は《誰が・いくら》もらえるのか詳しく解説します。
平均寿命もご紹介しますので、老後の計画を立てる際にお役立てください。
1. 現実味を帯びてきた「人生100年時代」男性と女性の平均寿命は何歳?
私たちは日頃「平均寿命」という言葉を何気なく使っていますが、これは0歳の平均余命を指します。
厚生労働省が2025年7月25日に公表した「令和6年簡易生命表の概況」によると、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。
前年と比較すると、男性は横ばい(▲0.00年)、女性はわずかに下回りました(▲0.01年)。また、平均寿命の男女差は6.03年で、前年より▲0.01年とわずかながら縮まっています。
過去の推移も見てみましょう。
- 昭和22年:男50.06 女53.96 男女差3.90
- 昭和25-27年: 男59.57 女62.97 男女差3.40
- 昭和30年: 男63.60 女67.75 男女差4.15
- 昭和35年: 男65.32 女70.19 男女差4.87
- 昭和40年: 男67.74 女72.92 男女差5.18
- 昭和45年: 男69.31 女74.66 男女差5.35
- 昭和50年: 男71.73 女76.89 男女差5.16
- 昭和55年: 男73.35 女78.76 男女差5.41
- 昭和60年: 男74.78 女80.48 男女差5.70
- 平成2年: 男75.92 女81.90 男女差5.98
- 平成7年: 男76.38 女82.85 男女差6.47
- 平成12年 :男77.72 女84.60 男女差6.88
- 平成17年:男78.56 女85.52 男女差6.96
- 平成22年:男79.55 女86.30 男女差6.75
- 平成27年 男80.75 女86.99 男女差6.24
- 令和2年 男81.56 女87.71 男女差6.15
- 令和3年 男81.47 女87.57 男女差6.10
- 令和4年 男81.05 女87.09 男女差6.03
- 令和5年 男81.09 女87.14 男女差6.05
- 令和6年 男81.09 女87.13 男女差6.03
長期的なデータを見ると、男女ともに平均寿命が大きく延びており、「人生100年時代」が現実味を帯びてきたことを実感することができます。
長くなった老後を豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な貯蓄や資産形成、さらには公的年金制度への理解が大切となってくるでしょう。
2. 「年金生活者支援給付金」とは?
年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金で、以下の3種類があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、2カ月に一度、受け取ることができるものです。
3. 【年金生活者支援給付金】《誰が》もらえる?
3種類の年金生活者支援給付金には、それぞれの支給要件が設定されています。3種類共通の基準は、受給者本人の「前年の所得」です。
老齢年金生活者支援給付金には、これに加えいくつかの要件が加わります。
3.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
-
前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
3.2 「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の対象者
- それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
それぞれの給付金において、上記の要件をすべて満たす場合、年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
4. 《2025年度》年金生活者支援給付金制度の「給付額はいくら?」
2025年度の年金生活者支援給付金の給付額は、前年の物価変動率にもとづき、+2.7%の増額となりました。
4.1 【2025年度】年金生活者支援給付金の給付額
- 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5450円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに「保険料納付済期間や免除期間」に応じて、実際の支給額が計算されます。
5. 【年金生活者支援給付金」「請求手続き」をチェック!
年金生活者支援給付金の支給対象と判定された人には、日本年金機構から請求書が届きます。
年金受給状況によって、書類形式や郵送タイミングが異なります。ここでは、3つのケースに分けて、送付時の封筒や、手続き方法を紹介しましょう。
5.1 【ケース1】これから老齢年金を受け取り始める人(緑の封筒)
これから老齢年金を受け取り始める人には、65歳になる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して「年金生活者支援給付金請求書」が送付されます。
必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書とともに年金事務所に提出しましょう。
5.2 【ケース2】すでに年金を受給している人の場合(うす緑の封筒)
すでに基礎年金を受給中で、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる方には、2025年9月1日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。
必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで切手を貼ってポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
5.3 【ケース3】老齢基礎年金を繰上げ受給中の場合(うすだいだい色の封筒)
老齢基礎年金を繰上げ受給中の方のうち、年金生活者支援給付金の受給権が発生すると見込まれる場合、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。
必要事項を記載したら同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載したうえで切手を貼ってポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。
一度申請すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続きは基本的に不要です。また、所得が増えるなどして支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止されます。
なお、2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた人は、「電子申請による提出」ができるようになりました。
電子申請により提出した場合、郵送による提出は不要です。
6. ご自身やご家族が「支給対象になっていないか」よく確認しておきましょう
ここまで、年金生活者支援給付金は《誰が・いくら》もらえるのか詳しく解説しました。
受給している基礎年金の種類によって「老齢年金生活者支援給付金」「補足的老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」があり、支給要件がそれぞれ異なります。
支給要件を満たしていても請求手続きをしないともらえない給付金なので、ご自身やご家族が支給対象になっている場合は忘れずに手続きを行いましょう。








