3. ライフステージ別見直しポイント

ここからは、ライフステージ別に保険の見直しポイントを解説します。

3.1 独身の保険戦略

独身者の場合、死亡保障は葬儀費用程度で十分であり、一般的には300~500万円程度が目安となります。その代わり、医療保険やがん保険、就業不能保険など、自分自身のリスクに対する備えを重視するのが良いでしょう。

特に更新型の医療保険に加入している場合、若いうちに終身型に変更することで長期的な保険料負担を軽減できます。30歳で終身医療保険に加入すれば、そのまま保険料は変わらず、老後も安心して保障を継続できます。

資産形成が重要になる独身時代は、保険料を抑えて投資に回すという選択も有効です。必要な保障は保険でカバーし、余剰資金で資産運用を行うなどバランスを考えましょう。

3.2 子育て世帯の保障計画

子育て世帯では、世帯主の死亡リスクに対する備えが最優先となります。遺族年金を考慮しても、子どもの教育費や配偶者の生活費として数千万円の保障が必要になることが一般的です。

効率的な保障確保のため、定期保険や収入保障保険の活用を検討しましょう。終身保険と比較して保険料を抑えられ、必要な期間に集中して高額な保障を準備できます。子どもの成長に合わせて保障額を段階的に減額していくことで、保険料負担も最適化できます。

住宅購入時は保障額見直しの重要なタイミングです。団体信用生命保険により住宅ローン分の死亡保障が確保されるため、既存の保険料を減額できる可能性があります。

3.3 退職後の保険整理

定年退職後は収入減少に伴い、保険料負担の見直しが必要になります。子どもが独立していれば大きな死亡保障は不要となり、葬儀費用程度の保障で十分でしょう。

一方で、医療費や介護費用のリスクは高まるため、医療保険や介護保険の重要性が増します。更新型保険に加入している場合は、退職までに終身型への切り替えを完了しておくことをおすすめします。70歳での更新では保険料が家計を圧迫する水準まで上昇する可能性があります。

4. 見直し時の重要な注意点

生命保険を見直す際には、いくつか注意点を押さえておきましょう。

4.1 契約タイミングの管理

保険見直しで最も重要なのは、新契約の成立を確認してから既存契約を解約することです。健康状態の変化により新規加入が困難になるケースがあるため、既存の契約を先に解約してしまうと無保険期間ができる可能性があります。

特にがん保険の場合、新契約から90日間の免責期間があります。この期間中にがんと診断されると保障を受けられないため、90日間は新旧両方の契約を維持することも検討すべきです。

4.2 保障内容が適切か確認

保険料の節約に注力するあまり、必要な保障まで削減してしまうリスクがあります。特に、小さい子どもがいる家庭では死亡保障や教育資金の確保は非常に重要です。また医療技術の進歩により治療費が高額化している現在では、適切な医療保険の維持が重要です。

がん治療では公的医療保険が適用されない先進医療や自由診療が選択肢にあがることもあります。経済的な理由で治療を諦めたくない人は、保険で備えておくことをおすすめします。

4.3 更新型保険のリスク認識

更新型保険では、更新のたびに保険料が上昇し、最終的には継続困難な水準に達する可能性があります。50代以降の更新では月額保険料が2~3倍になることも珍しくなく、家計を圧迫する要因となります。

健康状態が悪化してから終身型への切り替えを検討しても、持病などにより加入できない可能性があります。更新型保険に加入している場合は、健康なうちに終身型への見直しをしておくことが重要です。

5. まとめ

生命保険の見直しは、家計の固定費削減と適切な保障確保を両立させる重要な手段です。更新型保険からの切り替え、複数社での比較検討、ライフステージに応じた保障調整などにより、保険料節約の節約が可能になります。

ただし、保険料削減だけに注力せず、必要な保障の確保も同時に考慮するようにしましょう。定期的な見直しをすることで、最適な保障を維持しながら家計負担を最小限に抑えることができるかもしれません。健康なうちに、そして適切なタイミングで保険見直しを実行し、長期的な家計の安定化を目指しましょう。

参考資料

ほけんのコスパ編集部