季節の変わり目である9月は、突然の雨が多く、天候が変わりやすい時期です。来月10月15日は今年5回目となる年金支給日をむかえます。

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額3万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。そんな年金と同じ日に上乗せで支給される給付金があるのをご存知でしょうか。それは2019年からはじまった年金生活者支援給付金です。どんな給付金制度なのか、今回はわかりやすく解説していきます。

1. 【年金生活者支援給付金】2か月に一度、年金に上乗せでもらえる!

年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。

受給中の年金によって、以下3種類の年金生活者支援給付金があり、それぞれに、支給要件と支給額(基準額)が設定されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

1.1 【2024年→2025年】年金生活者支援給付金の支給金額

2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から2.7%引き上げとなりました。

【2025年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。

上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円受け取れます。

なお、「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円です。

※2024年3月において認定されている平均給付金額です。

2. 【年金生活者支援給付金】どんな人が対象者?支給要件を確認

年金生活者支援給付金の支給要件について見ていきましょう。

「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が479万4000円以下の人です。

給付金の判定に用いる所得は、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて、所得の基準額は上がります。

「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。

2.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給対象

老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が90万9000円以下である。

老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。

また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

補足的老齢年金生活者支援給付金

昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。

3. 【年金生活者支援給付金】自動振り込みではなく「手続きが必要」

年金生活者支援給付金を受け取るためには、請求手続きが必要となります。支給対象になったら自然に年金に上乗せされるわけではありません。

すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、2025年9月1日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。

3.1 すでに年金受給中の対象者に送付される「緑の封筒」はどこから?

※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。

なお、これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、日本年金機構から送られてくる老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。

3.2 手続きは毎年必要?

年金生活者支援給付金は、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続き不要で継続受給が可能です。

継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。

なお、毎年度(4月分から)の支給金額は、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。

4. まとめにかえて

本記事では、年金生活者を支える「年金生活者支援給付金」について解説しました。公的年金は生活の大きな支えですが、それだけでは生活が厳しいと感じる人も少なくありません。

もしあなたが給付金の対象者かもしれないと思ったら、まずは日本年金機構から届く「緑の封筒」を探してみてください。給付金は自動的に振り込まれるわけではなく、ご自身で手続きをしなければ受け取れません。

申請は一度行えば、翌年以降も支給要件を満たす限り継続的に受け取れます。このような制度を正しく理解し、受け取れる支援をしっかりと活用することは、物価上昇が続く現代において、家計の安心につながる大切な一歩です。

今一度、ご自身の年金受給額や生活状況を見つめ直して、受け取れる支援がないか確認してみましょう。少しの行動が、これからの生活に大きな安心をもたらしてくれるはずです。

参考資料