まだまだ暑さが続く中、熱中症で治療を受ける人も多くいます。そこで気になるのが治療を受けたときの医療費の負担です。「熱中症の治療に健康保険は使えるの?」「どれくらい費用がかかるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

実は熱中症の治療には健康保険が適用され、症状に応じて民間保険でも保障を受けられる可能性があります。本記事では、熱中症の治療費や保険制度について詳しく解説します。

1. 熱中症治療には健康保険が適用される

熱中症で医療機関を受診した場合、通常の病気と同様に 「健康保険が適用」されます。熱中症は命に関わることもあるため、おかしいと感じたらすぐに病院に行きましょう。

1.1 健康保険適用の基本ルール

現役世代(70歳未満)の場合、熱中症の治療費は3割負担となります。また、緊急時の救急車利用は基本的に無料のため、症状を感じたら迷わず医療機関を受診することが重要です。

比較的軽症の場合は数千円程度の自己負担で済みますが、入院が必要な中等症以上では数万円の負担が発生する可能性があります。夜間や休日の救急外来利用時には、通常の診療時間外加算により費用が高くなることも覚えておきましょう。

2. 熱中症で「健康保険が使えない」との誤解が生じる理由

冒頭でお伝えした通り、熱中症の治療には健康保険が適用されます。しかし一部で「健康保険は使えない」と誤解されていることもあります。考えられる可能性は2点あります。

2.1 労災との混同による誤認

熱中症治療に健康保険が使えないという誤解の背景には、 「労災保険との混同」があります。業務中に発症した熱中症は労災保険の対象となり、この場合は健康保険ではなく労災保険を利用します。

2.2 予防的措置との混同

また、熱中症対策を「予防的措置」と捉え、健康保険の適用外と誤認するケースもあります。しかし、症状が現れて医療機関で治療を受けた時点で、これは立派な「治療行為」となり、健康保険の適用対象となります。