金融庁が2025年8月に発表した来年度の税制改正要望では、NISA制度の「つみたて投資枠の対象年齢の見直し」や「対象商品の拡充」などが盛り込まれました。NISA制度は2014年度にスタートしてから幾度と制度改正を行ってきましたが、今回の税制改正要望も投資家の注目は高まっています。
しかし、「制度が難しくてよくわからない」「制度がよく変わるのでついていけない」という方もいるかもしれません。ここでは、NISAをはじめる前に知っておきたい、初心者がうっかり勘違いしやすいNISAのポイントを4つ紹介します。
1. 【NISAポイント①】「成長投資枠」と「つみたて投資枠」は併用可能
NISA制度には、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの枠があります。それぞれ対象商品や非課税限度額が異なりますが、これらの非課税枠は併用することが可能です。
以前のNISA制度では「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、いずれか1つの非課税枠しか利用することができませんでした。そのため、現在の成長投資枠とつみたて投資枠についても併用できないと誤解してしまうケースがあります。
しかし、2024年の制度改正をもって併用可能となっており、利用者は投資先や投資方法に応じて2つの非課税枠を使い分けることができます。
2. 【NISAポイント②】成長投資枠でも積立投資ができる
前述の通り、非課税枠には成長投資枠とつみたて投資枠があり、つみたて投資枠は積立投資に特化していることが特徴です。
積立投資とは定期的に決まった金額ずつ買い付けていく方法で、初心者にも取り組みやすい投資手法として活用されています。
ただし、この積立投資はつみたて投資枠だけでなく成長投資枠でも用いることができます。
つみたて投資枠では積立投資でしか購入することはできませんが、成長投資枠では1度にまとめて購入することも、積立投資で購入することも可能です。
つみたて投資枠と成長投資枠では対象品が異なりますので、成長投資枠対象の商品を購入したいときは、一括投資だけでなく積立投資も視野に入れてみるとよいでしょう。
3. 【NISAポイント③】非課税枠が再利用できるのは売却した翌年
NISA制度では、1人あたり1800万円の非課税枠が設けられています。上限に達すると新たに非課税投資することはできないものの、保有している商品を売却するとその分の非課税枠を再利用することができます。
ただし、非課税枠が復活するのは売却した翌年である点に注意が必要です。
たとえば、非課税枠1800万円のうち、100万円を売却するとします。売却した100万円の枠で買い付けができるのは翌年からとなり、売却したからといってすぐに非課税枠を再利用できるわけではありません。
市場の状況やライフステージの変化などに合わせて保有資産を入れ替える際は、そのタイミングに注意するようにしましょう。
なお、今年8月に公表された金融庁の税制改正要望では、非課税保有限度額を当年中に復活することも盛り込まれています。今回の金融庁の税制改正要望は、あくまで今後の議論を促すための第一歩です。しかし、将来的にNISA制度がさらに使いやすくなるよう、見直しが行われる可能性を秘めています。
4. 【NISAポイント④】保有商品はいつでも売却できるわけではない
NISAで対象となる上場株式や投資信託は、売却して現金化することができます。ただし、商品によっては売却できないタイミングがある点に注意が必要です。
たとえば、投資信託では「ファンド休業日」というものが設けられており、新規買付や売却の取引が制限されます。特に、外国の株式や債券などが組み入れられているファンドでは、その国の祝日などにファンド休業日が設定される傾向にあります。
また、外国株式についても、祝日などで現地の市場がオープンしていないときは売却することができません。
外国の資産を保有する際は、取引ができない日にも注意するようにしましょう。
5. NISAの仕組みを正しく理解してはじめよう
NISAは、上場株式や投資信託を非課税で運用できる制度です。少額から始められるため初心者の方にも向いている制度ですが、勘違いしやすいポイントを正しく理解しておく必要があります。
また、NISA制度はこれまで何度も制度改正が行われており、今後も制度に変更が生じることが想定されます。NISAを始めた後も、導入された変更点を正しく理解して資産運用に活用するようにしましょう。

