3. 資産の寿命をシミュレーション

60歳代・70歳代ともに、二人以上世帯の金融資産保有額の平均は2000万円前後でした。

このうちの半分(1000万円)を運用に回し、3%で運用しながら30年間にわたって取り崩す場合を考えてみます。

毎月の受取額は4.2万円となるため、毎月の赤字は補填できそうです。

運用に回す以外のお金は、突発的に発生する医療費や介護費の備えとしてプールしておけば、経済的に安心できるのではないでしょうか。

4. まとめにかえて

65歳以降は年代を問わず赤字が続く構造的な問題があり、貯蓄の取り崩しは避けられません。

しかし、平均的な貯蓄額2000万円程度の半分を3%で運用しながら30年間取り崩すシミュレーションでは、月4.2万円の受取が可能となります。これにより慢性的な赤字を補填できる計算です。

単純な取り崩しではなく「運用しながら取り崩す」手法により資産寿命を延ばし、安心できる老後生活の実現が期待できます。

計画的な資産形成と運用戦略の構築が、現役世代にとって急務といえるでしょう。

参考資料

柴田 充輝