9月に入っても値上げが続いています。近年の物価高騰によって、年金に頼る世帯の家計は一層厳しさを増しています。

加えて、高齢者が負担する社会保険料も毎年のように引き上げられている状況です。

さらに、2026年4月からはシニアを含む全世代を対象に「子ども・子育て支援金」の徴収が始まるため、シニア世帯の経済的負担は今後さらに拡大すると見込まれます。

リタイア後は現役時代と比べ収入が大きく減少する傾向にありますが、65歳以上の世帯が実際に支払っている「健康保険料」と「介護保険料」は平均でどの程度になるのでしょうか。

本記事では、65歳以上のシニア世帯が負担している「健康保険料・介護保険料」の平均額を紹介します。

2026年4月から始まる「子ども・子育て支援金」の徴収についても取り上げていますのであわせて参考にしてください。

1. 年金収入ってこんなに少ないの?シニアの「平均年金月額」はいくら?

冒頭で触れたように、年金を中心に暮らすシニアの収入は、現役時代と比べて大きく減少します。

厚生労働省年金局が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、「国民年金のみ」の場合と「厚生年金+国民年金」の場合の平均受給月額は、次のとおりです。

【「国民年金のみ」の平均月額】

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

【「厚生年金+国民年金」の平均月額】

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金の金額を含む

会社員や公務員、あるいは一定の条件を満たしたパート・アルバイトが受給する「厚生年金と国民年金」の場合、平均受給額はおよそ14万円台です。

ただし、個々の状況によって差が大きく、1万円未満のケースから30万円を超えるケースまで幅があります。

一方、フリーランスや自営業者、専業主婦などが受け取る「国民年金のみ」の場合は、平均でおよそ5万円台となっており、生活の基礎を支える収入にはなりますが、それだけで十分とは言い切れません。

加えて、これらの金額はあくまで「額面」であり、実際に振り込まれる金額は税金や社会保険料が差し引かれた後のものです。

では、年金からは具体的にどのような項目が天引きされているのでしょうか。