3. ふつうのシニア、直面する「値上がりラッシュ」に生活設計の意識が大切

帝国データバンクの調査によると、2025年9月の飲食料品値上げは1422品目となり、前年同月をわずかに上回りました。

分野別では、マヨネーズやドレッシングを含む「調味料」が最も多く427品目でした。次いで「加工食品」が338品目、「菓子」が291品目と続き、日常的に利用する商品が多く含まれています。

食品の値上げは9カ月連続で前年同月を上回り、4カ月連続で1000品目を超えました。2025年累計では2万品目を突破し、前年を大きく上回るペースとなっています。こうした値上げラッシュは長期化しており、家計への影響が一層強まっていることが明らかになりました。

4. ふつうのシニア、貯蓄・年金・就労で暮らしをささえる実像

今回は、総務省・厚労省・内閣府・帝国データバンクの調査をもとに、65歳以上世帯の貯蓄・年金・働き方、そして物価上昇の影響について解説しました。

65歳以上・二人以上世帯の平均貯蓄は約2500万円ですが、世帯ごとの差は大きく、生活の柱となるのは年金です。年金額は決して十分とは言えない場合もあり、多くの人が65歳以降も働くことを選んでいます。さらに食品の値上げが続き、家計への影響が一段と増しているのが現状です。

こうした状況だからこそ、貯蓄・年金・就労収入をバランスよく組み合わせて生活設計を考えることが大切です。物価の上昇を前提にした家計の工夫を取り入れることで、安心して暮らしを続ける道が見えてきます。前向きにできる備えから始めていきたいですね。

参考資料

村岸 理美