9月9日朝の東京株式市場では、日経平均株価が取引開始直後に史上最高値を更新し、一時4万4000円台を突破しました。米国市場での利下げ観測によるハイテク株上昇や、石破首相辞任を受けた政局期待が追い風となっています。株式市場の活況は投資への関心を高めるきっかけにもなり、NISAなど資産形成制度への注目も一段と高まっています。

今回の記事では、金融庁のデータを参考に、50歳から新NISAを始めた場合の老後資金のシミュレーション結果をご紹介します。メリットが多い一方で、注意すべき点もあります。資産形成の第一歩として、ぜひ参考にしてみてください。

1. 【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」

投資で得た利益に税金がかからないNISAは2014年1月にスタート、そして2024年1月から新制度が開始されました。新しくなったNISAは従来のものとどう違うのでしょうか?新NISAには、大きく4つのポイントがあります。

  • 投資できる金額の増加
  • 投資できる期間の恒久化
  • 投資信託も個別株式も両方投資可能
  • 売却後は非課税投資枠が復活

従来のNISAの投資額は、以下のとおりでした。

  • つみたてNISA:年間40万円
  • 一般NISA:年間120万円

一方、新NISAの場合は金額が増加しています。

  • つみたて投資枠:年間120万円
  • 成長投資枠:年間240万円

さらに、新NISAは投資できる期間も恒久化されました。さらに、投資信託や個別株式に投資できるようになっています。新NISAには、投資信託を定期的に買い付ける「つみたて投資枠」と、株式や投資信託など幅広い商品に投資できる「成長投資枠」の2種類があります。この2つの枠は併用でき、自分の目的に合わせて使い分けることができます。

1.1 「つみたて投資枠」の利用「ほったらかし」でもOK?

「つみたて投資枠」を利用した投資信託の積立投資などは一度設定すれば、あとは「ほったらかし」でも自動で積立投資を続けてくれます。これにより、仕事や家事で忙しい人でも、時間や手間をかけずに長期的な資産形成を目指すことができます。ただし、実際には、市場変動やライフイベントに応じて見直しが必要です。一度設定すれば自動で積立が続きますが、定期的に見直すことも忘れないようにしましょう。